解体までの建築物「生涯CO2」算出義務化へ、政府が制度検討
読売新聞 / 2025年1月6日 5時0分
政府は、建物の建築から運用・解体までの間に排出される二酸化炭素(CO2)量の算出を建築主や建設業者に求める制度の検討に入った。環境に影響を与えるCO2の排出量を可視化することで、建築分野の脱炭素化を図る。3月までに制度化に向けたスケジュールを確認し、2026年通常国会への関連法案提出を目指している。
新制度では、一定規模以上の新築建築物の建築主などに、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」として建築物の生涯排出量の算出を求める。材料調達や資材製造から始まり、施工を経て使用、修繕・補修、解体、廃棄物運搬・処理へと続く各段階のCO2を計算する。高炉での鉄製造、車両での運搬、施工・解体などでの重機使用、建物使用時の空調使用などが対象となる。
国際エネルギー機関(IEA)の報告では、建築物関連が世界のCO2排出量(22年)の37%を占めた。政府は高効率の空調設備導入を支援するなど、建物使用時の排出削減を進めてきたが、それ以外の段階の対策は手薄だった。排出量を見えるようにすることで、建設業者などに削減努力を促す狙いがある。
建築物のLCAの取り組みは欧州が先行している。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は昨年4月、一定規模を超える新築建築物を対象に、28年からCO2の算出と開示を義務付けると決定した。30年からは全ての新築建築物に対象を広げる。フランスやデンマークでは排出量の上限規制も導入している。
政府は昨年11月、内閣官房に国土交通省、経済産業省、環境省などが参加する関係省庁連絡会議を設置し、制度化に向けた議論に着手した。今後、建材ごとの製造過程で発生するCO2量などについて、算出方法の検討を進める。算出を義務付ける建物の規模や、算出した内容の公開方法も詰める。
政府は、将来的に建築物の生涯排出量の上限規制導入も視野に入れており、まずは生涯排出量の算出義務化に向けて制度化を急ぐ方針だ。
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