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茨城・鹿島沖で漁船転覆、2人死亡・3人行方不明…巻き網にイワシが多く入り「船体が傾いた」

読売新聞 / 2025年1月6日 11時23分

転覆した漁船の乗組員らを捜索する海上保安庁の巡視船や漁船(6日午前9時40分、茨城県の鹿島港沖で、読売ヘリから)=松本拓也撮影

 6日午前2時10分頃、茨城県の鹿島港から東に約30キロの沖合で、航行中の漁船から「巻き網漁船が転覆したようだ」と通報があった。鹿島海上保安署の発表によると、転覆したのは同県北茨城市の大津漁協所属の第八大浜丸(80トン)で、沈没したとみられる。乗組員20人のうち17人が救助されたが、日本人の50歳代と60歳代の男性2人が死亡、40歳代と60歳代、70歳代の日本人男性3人が行方不明という。

 同署などによると、第八大浜丸には日本人15人とインドネシア人5人が乗っていた。5日昼から同漁協所属の他の2隻とともにイワシ漁に出ており、転覆に気がついた別の漁船が通報した。第八大浜丸の乗組員は、他の2隻や付近で操業していた漁船に救助され、千葉県銚子市の銚子漁港から同市内や隣接する同県旭市内の病院に向かった。救助された乗組員は「網を揚げている途中、魚が多く入ったことで徐々に船体が傾いた」と話している。

 事故当時の気象状況は西の風2メートル、波の高さ0・5メートルで、周辺海域に警報や注意報などの発表はなかった。6日午前11時20分現在、沈没したとみられる船は見つかっておらず、付近に油が浮いているのが確認されている。海上保安庁の巡視船4隻や航空機、近くにいた漁船などが行方不明者の捜索を進めている。

 転覆した第八大浜丸に乗っていた男性(73)(宮城県石巻市)によると、網に入ったイワシを海から引き揚げていたところ、船体が右に傾きはじめ、恐怖を感じ、船にしがみつきながら、脱出用のミニボートに飛び乗ったという。男性は「死を覚悟した。何十年も船に乗っているが、傾くことなんてめったにない。行方不明の3人が心配でならない」と声を落とした。

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