首相年頭会見 何を目指すのか見えてこない
読売新聞 / 2025年1月7日 5時0分
低姿勢を貫いて延命を図るつもりのようだが、この政権が何を目指し、どんな政策を実行しようとしているのか、判然としなかった。
石破首相が年頭の記者会見を行い、「野党と議論を尽くし、国民の納得と共感が得られるように努めていく」と述べた。
また、最優先に取り組む課題として、東京への一極集中の是正と地方の活性化を挙げ、「令和の日本列島改造」と位置づけた。
田中角栄元首相の列島改造論が、道路や鉄道などインフラ整備が中心だったのに対し、地方に人が流れる仕組みを作るという。
人口減少に歯止めがかからなければ、地方では教育や介護などの機能を維持できなくなりかねない。首相の問題意識は当然だ。
重要なのは、それをどう実現するかである。ところが首相が具体策として掲げたのは、都市部の本社機能や国の機関の地方移転など、歴代内閣が何度か取り組んできた施策にとどまった。
岸田前内閣は一昨年、文化庁の主要部署を京都に移転させたが、京都勤務の職員数は400人程度にすぎない。企業が本社機能を移転した場合、減税する仕組みを活用した例は少ない。
過去の政策をなぞるだけで事態を改善できるはずがない。実現しなかった理由を検証し、対策を示してこそ政策提言と言える。
外交に関しても、首相は迷走しているようだ。
米国のトランプ次期大統領との会談については、早期会談に前向きな考えを示したり、慎重な姿勢に転じたりしてきた。結局、2月以降に先送りした。
外務省は元々、就任前に会っても政府間の文書をまとめられない、といった理由から早期会談に慎重だった。首相が外務省に強く指示することもなかった。
ただ、トランプ氏は昨年、カナダのトルドー首相らと会ったほか、年明けにはイタリアのメローニ首相とも会談している。
首相や外務省の判断には首を
首相は、与党と主要な野党による大連立について「今の時点で考えていない」と述べた。衆院解散に関しては「衆院と内閣の意思が異なった時、主権者の判断を仰ぐのは憲政の常道だ」と語った。
憲政の常道というなら、昨年の衆院選で敗れた首相が責任を取るのが、「常道」ではないのか。
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