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「助けて」「助けて」袋だたきに遭う同僚…米連邦議会襲撃から4年、元警官は暴徒への対応で「命失いかけた」

読売新聞 / 2025年1月7日 6時55分

アキリーノ・ゴネル氏(昨年12月16日、ワシントンで)=池田慶太撮影

 【ワシントン=池田慶太】2021年1月に米国のトランプ大統領(当時)の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃・占拠した事件から、6日で丸4年を迎えた。体を張って暴徒に向き合い、心と体に深い傷を負った元警察官は、訴追された支持者らに恩赦を与えると公言するトランプ氏の返り咲きに強い危機感を訴えている。

トランプ氏の恩赦方針に不安

 議会警察の巡査部長として暴徒の対応に当たったアキリーノ・ゴネル氏(45)は、本紙の取材に「私は押し倒され、踏みつけられ、命を失いかけた」と振り返った。陸軍兵としてイラクに従軍経験もあるが、「4年前の経験は、イラクで見た戦闘よりもひどかった」と語った。

 「全員来てくれ。西側正面から侵入されている」。無線が入り、ゴネル氏が約30人の同僚と駆けつけると、すでに複数の警官がトランプ支持者から暴行を受けていた。ゴネル氏も右腕を強打されるなど、全身に後遺症が残る重傷を負った。「助けて。助けて」。横では袋だたきに遭う同僚が叫び声を上げていた。

 血みどろの争いは4時間近く続いた。警官1人を含む5人が死亡したとされるが、ゴネル氏によると、その後に同僚4人が自殺した。事件のトラウマは警察関係者を悩ませ続けているという。

 ゴネル氏は、訴追された暴徒に法の裁きが下ることを願い、法廷で証言台に立ってきた。米メディアによると、これまでに1500人以上が訴追され、約1000人が罪を認めている。しかし、大統領選でトランプ氏が再選を果たしたことで事態は変わりつつある。

 トランプ氏が4年前の出来事を「愛国者による平和的な抗議活動」と呼び、大統領就任後直ちに有罪判決を受けた支持者に恩赦を与えると約束しているためだ。

 ゴネル氏は、トランプ氏に強い不満を示し、こう吐露した。「恩赦は、私たちが危険を冒して守ろうとした正義を消し去ってしまうかもしれない」

 ◆米連邦議会占拠事件=2021年1月6日、20年大統領選の敗北を受け入れない当時のトランプ大統領の支持者らが連邦議会議事堂に乱入した事件。米捜査当局は約2000人が犯罪行為に関与したと推定。トランプ氏も事件をあおったなどとして起訴されたが、24年大統領選での勝利を受け、起訴は取り下げられた。

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