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生活道路の除排雪は追い付かず、青森県内で雪下ろし中の死者3人…積雪量は6地点で平年の3倍以上

読売新聞 / 2025年1月7日 17時3分

 年末年始に青森県内を襲った大雪の影響は、6日も続いた。県や県警などによると、同日午後5時現在、鉄道の一部で運休が続いたほか、雪下ろし中の事故などによる死傷者も確認された。リンゴの枝折れなど被害は広範囲に及んでおり、今後も広がる見込みだ。また除排雪が追い付いていない自治体を支援するため、県は7日から、むつ市の業者を黒石市に派遣する方針を発表した。

 鉄道では、JR奥羽線の大館(秋田県大館市)―弘前駅間で依然として運転を見合わせており、再開の見通しが立っていない。青い森鉄道の青森―三沢駅間も引き続き運休中だ。

 人的被害も発生しており、死者は3人となった。このうち弘前市では5日午後3時40分頃、貝沢の空き家敷地内で、板柳町福野田、自動車整備士葛西浩司さん(70)が雪に埋もれているのを付近の住民が見つけ、119番した。葛西さんは病院に搬送されたが、死亡が確認された。死因は頭部圧迫による窒息死。

 弘前署の発表によると、空き家は葛西さん所有の2階建て。同日午前10時50分頃から1人で雪下ろしをしているのを近隣住民が目撃していた。ヘルメットや命綱は身に着けていなかったという。

 また、十和田署は6日、十和田市法量に所有する別荘の屋根で1日、雪下ろしをしていた東京都西東京市の無職小笠原嘉一郎さん(80)が死亡したと発表した。死因は急性心筋梗塞こうそくだった。ヘルメットや命綱はつけていたが、誤って転落したとみられる。

 県によると、負傷者は青森、弘前市など5市町村で計12人となっている。雪道での転倒などが中心だという。

 農業分野でも被害が出ている。平川市などでビニールハウスの破損とリンゴの枝折れが計3件確認された。雪で農道を通れず、被害の詳細を把握できていない。

 除排雪を巡っては、市町村管理の生活道路で対応が追い付いていない。県は支援策として、余力のある自治体から業者を融通する仕組みを新設。第1弾として7~11日、むつ市から4トントラック5台程度を黒石市に派遣する方針だ。青森市にも14、15の両日、10トントラック15台程度を送る方向で調整している。いずれも排雪に役立ててもらう。

 青森県の宮下知事は6日の記者会見で、「1月末から2月中旬下旬までが最も雪が降る季節。これを乗り越えるために全庁態勢、全県態勢で(除排雪を)行わなければならない」と語った。

 一方、青森市の西秀記市長は6日の記者会見で、市道の除排雪について、「仕事始めの6日までに完了させることも目標にしたが、旧青森市で約2割、旧浪岡町で約1割は未完了で終わってしまった。今後さらに力を入れて、早期の解消を図りたい」とした。

青森市中心部で126センチ

 冬型の気圧配置と雪雲が青森県内上空に停滞した影響で、年末年始の県内は津軽地方を中心に連日大雪が降った。青森地方気象台によると、12月の上空の平均気温が平年より約3度低く、日本海の海面水温が1~3度高かったことから、雲が水蒸気を多く含み雪雲が発達したとみられる。

 気象庁のデータによると、6日午前0時~午後3時に観測された最深積雪は青森市中心部で126センチ、弘前と五所川原で101センチなどとなり、県内16の観測地点のうち6地点で平年の3倍以上だった。また、平川市碇ヶ関で93センチ、むつ市脇野沢で45センチとなり、平年の2倍以上を観測した。

 7日以降も雪は降るものの、年末年始よりは少ない見通し。

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