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トレイルの成長に深く感動、私の「隠れ家」世界に「見つかってしまう」複雑な気持ちも 

読売新聞 / 2025年1月8日 5時0分

インバウンドで訪れた外国人観光客をガイドする町田さん(右)

NPO法人ACTY理事長 町田直子さん 60

 八戸市(青森県)に移住して間もない頃、太平洋沿岸の海岸線に足を運ぶと、美しい景色に隠れて歩く道がひっそりと続いていた。歩いても歩いても道はつながり、景色がどんどん変わる。映画のシーンの中にいるようで、何とも不思議な気持ちになるのが心地よく、幾度となく訪れた。

 十数年の月日が流れ、トレイルというものができる。みんなでルート選定をする。みんなでワークショップをし、実際に歩いてルートを決める、という話が舞い込んできた。その動きの中に、私もいた。

 2013年11月、八戸市から久慈市(岩手県)までの約100キロがまず開通した。それが「みちのく潮風トレイル」だった。当時は「へえ」「ふーん」「そうなんだあ」と、さほど感動しなかった。むしろ、自分の隠れ家が見つかってしまい、「皆さん、どうぞどうぞ」と招き入れないといけないような気持ちだったような気もする。

 それからあれよあれよと立派に成長をとげ、いまや世界から歩く人が訪れ、一つの文化を生み出そうとしている。この成長ぶりには深く感動している。親離れをして巣立っていくわが子の成長を見守るような気持ちでもある。

 そんな「みちのく潮風トレイル」を有する地域や住民がトレイルの存在に誇りを持てるように、トレイルを楽しんで魅力を伝えていけるようになってほしいと願っている。

 まさに持続可能な地域コンテンツとして、この先ずっと地域住民が支えていけるような、約1000キロのトレイルでそれぞれの地域で違ったぬくもりを感じてもらえるような、地域一体のおもてなしで歩く人をお迎えしたいと考えている。

 地域のおもいをつないでいく「みちのく潮風トレイル」。ぜひ多くの方々に歩きに来てほしい。

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