新千歳滑走路で着陸直前に工事車両進入、運転手「閉鎖中だと思った」…主要空港での監視強化へ
読売新聞 / 2025年1月8日 5時0分
北海道・新千歳空港で昨年11月、貨物機が着陸しようとする滑走路に工事車両が進入した重大インシデントで、車両の運転手が「滑走路は閉鎖中だと思っていた」と説明したことがわかった。実際は閉鎖しておらず、進入には管制官の許可が必要だった。問題を受け、国土交通省は国内の空港や管制機関に文書で注意喚起。新年度には主要空港で工事車両などの監視を強化する。
国交省によると、工事車両(乗員1人)は同月28日午前0時頃、空港敷地内東側の「場周道路」と呼ばれる工事車両用道路から、B滑走路(長さ3000メートル、幅60メートル)の中ほどに許可なく進入し、そのまま横断して誘導路側に出た。
B滑走路にはスプリング・ジャパンの運航する貨物機(同2人)が着陸許可を受けて降下を続けており、パイロットは滑走路末端まで1000メートル以上離れた位置から車両のあかりに気付き、管制官に連絡。車両が滑走路から出たのを確認した上で着陸許可は維持され、貨物機は無事に着陸した。けが人はなかった。
関係者によると、車両はB滑走路の西側にある誘導路の改良工事現場に向かっていたといい、運転手は問題発生後の調査に「滑走路は閉鎖され、許可は不要と認識していた」と話した。滑走路は深夜や未明に点検や工事のため一時的に閉鎖されることはあるが、当時、運転手に閉鎖の有無などが適切に伝わっていなかった可能性がある。
誤進入したのは、空港を運営する北海道エアポートの工事業務委託先の車両だった。運輸安全委員会が詳しい事実関係や組織体制の状況などを調べている。
一方、管制官は貨物機から連絡を受けるまで、工事車両の進入を認識していなかった。滑走路に進入する車両の安全対策を巡っては、国交省は2025年度、点検・保守・工事車両に搭載する「位置情報送信機」を新千歳、成田、羽田、中部など主要8空港に配備し、監視をさらに強化していく。
送信機を搭載した車両の位置は、空港の管制官の手元画面に表示される。また、誤進入が発生した場合には、航空機と同様に「滑走路占有監視支援機能」が発動し、注意喚起音などで管制官に知らせる仕組みだ。
昨年1月に羽田空港で発生した航空機衝突事故を受け、有識者による事故対策検討委員会が、滑走路誤進入の再発防止策の一環として導入を提言した。国交省は25年度、8空港で計500台強の送信機を用意して対象車両に貸与する。さらに26年3月までに関係法令を改定し、主要空港で搭載を義務化する方針だ。
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