旧ツイッターのニュース部門トップ、ＷＳＪ元編集者…ＣＥＯ「報道への好奇心を取り戻す」

Ｘのリンダ・ヤッカリーノＣＥＯ（７日、ラスベガスで）＝小林泰裕撮影

　【ラスベガス＝小林泰裕】米ＳＮＳ大手Ｘ（旧ツイッター）のリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者（ＣＥＯ）は７日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）元編集者のジョン・ストール氏をニュース部門のトップとして採用したことを明らかにした。Ｘ上でのニュース配信を強化する狙いがある。

　７日に米西部ネバダ州ラスベガスで開幕した世界最大級の家電・ＩＴ展示会「ＣＥＳ（セス）」の基調講演で明らかにした。ヤッカリーノ氏は「報道の未来はレガシーメディアではない」と言及し、「報道への好奇心を取り戻すために素晴らしい場所を提供したい」と話した。独立系のジャーナリストの記事をＸ上で発信していくことなどを想定しているとみられる。

　Ｘは現在、有料会員からの返信や「いいね」、ブックマーク、視聴時間などに応じて投稿者に収益を分配する制度を導入している。この仕組みを通じて、Ｘ上で記事を配信するジャーナリストに報酬を支払うとみられる。

　ストール氏は２００５年にＷＳＪに入社し、コラムニストやデトロイト支局長を務めた。

　Ｘはトランプ次期米大統領の側近であるイーロン・マスク氏がオーナーを務める。昨年１１月の米大統領選後、Ｘがトランプ政権の「一部」となり、米メディアからは保守的な論調や偽情報が増えることを懸念する声も上がっている。