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「日本一の出願者数」栄東中を抜いた開智中・開智所沢、併願システム魅力で急増…1回の入試で同時受験可

読売新聞 / 2025年1月9日 11時30分

 「日本一出願者の多い中学校」の座が交代する見通しとなった。埼玉県が8日に発表した県内の私立中学・中等教育学校の入試応募状況(6日現在)によると、開智所沢中等教育学校(所沢市)と開智(さいたま市岩槻区)の両校への応募が急増し、長年「日本一」の座を守ってきた栄東(同市見沼区)を抜いた。

 県学事課によると、開智所沢には、前年比8302人増の1万5175人が応募。開智は7197人増の1万4100人で、ともに2倍以上に急増した。栄東は214人増の1万2757人となっている。首都圏の中で最も早く中学入試が始まる埼玉には、県外からも多くの受験生が殺到している。

 「日本一」を獲得する見通しとなった開智所沢は、2024年度に県内初の私立中等教育学校として開校。グローバル教育やICT(情報通信技術)を活用した授業などに力を入れている。都内からの交通の便も良く、人気を得ている。

 開智所沢と開智は、同じ学校法人が運営している。両校は入試問題が共通で、1回のテストで同時受験することができる。受験料2万円を支払えば、今月10~15日に行われる計5回の入試を全て受けることも可能で、こうした仕組みも受験者急増の一因となった模様だ。開智の菅沼健児校長は「腕試しと本命、両方の受験生がいると思うが、多くの児童に集まってほしいという狙いがあった」と話す。

 進学塾「栄光ゼミナール」入試情報センターの藤田利通氏は「併願できるシステムは受験生にとって魅力。開智ブランドに対する保護者の信頼も厚い」と背景を分析する。

 栄東はいち早く入試を行い、結果をきめ細かく受験生本人に開示することなどから出願者数が毎年1万人を超える“超人気校”だが、首位の座から陥落することになった。

 埼玉県によると、県全体の応募者数は前年比1万6082人増の7万6599人で、4年連続で増加した。生徒を募集する学校は前年と同じ31校で、募集人員は前年比4人減の3704人。平均倍率は20・7倍。

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