北九州の殺傷事件、平原容疑者は女子生徒への殺人容疑「認めない」…福岡地検は鑑定留置も検討

平原政徳容疑者（２０２４年１２月２１日）

　北九州市小倉南区のファストフード店で昨年１２月、中３男女が殺傷された事件で、福岡県警は９日、同区長尾の無職平原（ひらばる）政徳容疑者（４３）を女子生徒に対する殺人容疑で再逮捕した。「認めない」と容疑を否認している。県警は２人と平原容疑者は面識がなかったとみており、動機を調べる。

　発表によると、平原容疑者は昨年１２月１４日午後８時２５分頃、国道３２２号沿いの「マクドナルド３２２徳力店」で、同区の女子生徒（１５）の腹部を刃物で刺して殺害した疑い。死因は失血だった。そばにいた男子生徒（１５）も腰を刺され、１か月の重傷を負った。

　平原容疑者は事件前に店周辺を車で行き来した後、２人が入店した午後８時１０分頃とほぼ同時刻に駐車場に入った。２人がレジ待ちの列に並んだ直後、店に入り、男子生徒、女子生徒の順に襲ったとみられる。

　平原容疑者は同１９日に男子生徒への殺人未遂容疑で逮捕された。当初は容疑を認めていたが、その後、「殺すつもりはなかった」と殺意を否認した。

　２人を襲った動機について、県警幹部は、平原容疑者が身勝手で独善的な供述をしているとしたが、具体的な内容は明らかにしなかった。

　県警は取り調べ状況などから、平原容疑者に刑事責任能力はあるとみているが、福岡地検小倉支部は鑑定留置を実施して精神状態を調べることも検討している。