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運転40年超の原発は世界の4割、日本は上限ルール影響し2割…読売新聞集計

読売新聞 / 2025年1月10日 5時0分

40年を超えて運転する原子炉は2025年に世界の4割に上る

 世界の原子力発電所のうち、40年を超えて運転する原子炉が2025年に4割の173基に達する見通しであることが、読売新聞の集計でわかった。日本は2割で、専門家は背景として、東京電力福島第一原発事故後に全ての原発が停止し、運転期間の上限を原則40年とする「40年ルール」ができたことや厳格な安全対策を求める新規制基準を挙げる。日本と異なり、多くの国が原発の長期運転に頼る姿が浮き彫りになった。

 多くの国で40年超運転は、綿密な点検をしながら安全に実施されている。一方、日本では11年の福島第一原発事故を受け、翌12年に原子炉等規制法が改正され、40年超運転が制限された。

 読売新聞は国際原子力機関(IAEA)や日本原子力産業協会などの公表資料を基に、25年に運転開始から40年超となる世界の原発を集計した。その結果、25年に存続する計431基(1月9日時点)のうち、40年超の原子炉は173基(40%)を占めた。24年比では23%増となり、増加数は32基と過去最高だった。世界一の原発利用国の米国は、運転中の94基のうち64基(68%)が40年超になり、24年時点から7基(12%)増える。

 日本は計33基のうち、25年に運転が40年を超える稼働中の原発は、高浜3、4号機(福井県)、川内2号機(鹿児島県)の計3基。既に40年超運転の原子炉を含めても21%の7基となっている。事故後に福島第一、第二原発の計10基のほか、全国の11基の廃炉が決まり、うち7基が40年未満だった。

根井寿規 ねいひさのり ・政策研究大学院大名誉教授(原子力安全政策)は、原子炉等規制法に基づく40年ルールと新規制基準の影響を指摘し、「耐震工事や防潮堤建設で多額のコストがかかり、採算が取れないと判断した事業者が多かった」と話す。

 ◆40年ルール=民主党政権下の2012年、与野党合意で決まった原子炉等規制法の規定。原子力規制委員会が認める場合は1回に限り、20年延長できる。40年超運転が認められるには、事業者が原子炉容器を超音波などで詳細に検査する「特別点検」を実施し、規制委の安全審査に合格しなければならない。

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