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10代女性の6割超が夢中「TikTok」、1日10回以上見る人も多いが 企業から政治家まで活用する影響力の秘密

J-CASTニュース / 2025年1月9日 18時12分

10代女性の6割超が夢中「TikTok」、1日10回以上見る人も多いが 企業から政治家まで活用する影響力の秘密

10代女性の6割超がTikTokを楽しむ(写真はイメージ)

NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年12月23日に発表した「TikTokの利用動向調査」によると、10代女性の6割超が利用、1日に10回以上見ている人も少なくない。

そんなに動画漬けになって大丈夫なのか。調査担当者に聞いた。

10代女性の利用が64%とダントツ 40~70代は1割程度

モバイル社会研究所の調査(2024年1月)は、全国の15歳~79歳の男女6440人が対象。

TikTokはSNSの1つで、【図表1】は、TikTokの全体の利用率と10代の利用率を2019年から2024年まで見た推移だ。過去6年間で利用率が年々増加していることがわかる。特に10代は55%が利用している。

性別年代別にTikTok利用率(月1回以上利用)を見たのが【図表2】だ。10代女性(64.1%)がずば抜けて多く、10代男性(45.7%)と20代女性(38.9%)が続く。一方、40~70代では1割程度にとどまり、TikTokが若年層に人気があることがわかる。

また、年代別にTikTokの1日の利用頻度を調べたのが【図表3】だ。「1日10回以上利用」(閲覧)しているのは10代~20代で約3割。30~50代でも約2割が1日10回以上利用している。

タレントがライブ配信、自分でも音楽付き動画を発信できる

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したモバイル社会研究所の佐藤仁(ひとし)さんに話を聞いた。

――今回、TikTokの利用に絞って調査していますが、10代に圧倒的に高い人気ですね。これは他のSNS、LINEやX、Instagramなどと比べて、TikTok独特の傾向なのでしょうか。

佐藤仁さん SNSそれぞれによって特徴が異なります。LINEは若年層からシニアまで幅広く普及しています。一方、XとInstagramは若年層や中年層の多くが利用しており、Facebookはそれより高い年代層である中年層からシニアを中心に利用されています。

TikTokはとりわけ10代に人気が高く、若い世代に浸透していることがうかがえます。

――シニアの私はLINEしかやっていないので、TikTokのことはよくわかりません。TikTokが特に10代女性に人気があるのはなぜでしょうか。

佐藤仁さん ショートムービー(短い動画)なので、いつでもどこでも簡単にスマホで視聴することができます。タレントやアイドルのダンスやパフォーマンスのショート動画なども若年層に人気です。さまざまな動画を見ることができて楽しいのだと思います。

また、誰もがスマホで簡単に撮影し、流行している音楽をつけてTikTokにアップして世界中に発信することができることの若い方々に人気があるのだと思います。

それに「TikTokライブ」というライブ配信があり、タレントやアイドルらがライブ配信を多くしています。TikTokライブの視聴も若年層への人気の要因の1つでしょう。さらにDM(ダイレクトメッセージ)で友人や知り合い、フォローし合っている人同士で個別のコミュニケーションができることも人気の要因です。

ハリス副大統領も、大手メディアよりTikTokの影響力を利用したが...

――なるほど。近年、大学生の就職活動で企業の情報をTikTokから得る人が増えていると聞きましたが、そういう使い方もあるのですね。

佐藤仁さん 若年層にアピールするのに、タレントやアイドルらだけでなく多くの企業や地方自治体がTikTokを活用して情報発信をしています。また政治家も利用して情報発信をしていますよ。

昨年の米大統領選では、民主党大会にTikTokインフルエンサーが招待され、ハリス氏へのインタビュー機会が与えられて話題になりました。バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明、後継候補となったばかりのハリス氏が大手メディアの取材に応じていない段階なのに、です。

TikTokなら流行した音楽に載せたショート動画でアピールできるので、「動画広告」という印象がなく、最後まで動画を見てもらって宣伝、広報活動ができるのも特徴の1つです。

――それにしても、TikTokを「1日10回以上」見る人が10~20代で約3割という数字は、スマホの見過ぎの心配はないのでしょうか。また、70代で14%(60代の7%の2倍!)も「1日10回以上」見ている結果が、70代の私としては不思議です。あまり、見過ぎないようにするにはどうしたらよいでしょうか。

佐藤仁さん 「1日10回以上」見る人が多いのは、メッセージやフォローしているタレントがライブを開始したなどの通知でアクセスしたり、すき間時間に何気なくアクセスしたりしているのかもしれません。また、アクセスするとショート動画で多くの動画があるので、次々と見ているケースもあるかと思います。

年配者にとっても、自身が好きなタレントのショート動画など興味深い動画が多いと思います。お子さんやお孫さんの勧めで初めて見た人もいるのではないでしょうか。

「スマホの見すぎ」対策としては、夜寝る前にはスマホを見ない、電車の中ではTikTokを見ない、朝起きたらすぐにスマホを触らない、といった「マイルール」などを作って、見すぎないように心がけるのが重要だと思います。

今後、若者だけでなく中年層やシニア層にも拡大していく?

――TikTokに関しては、TikTokに仕掛けられたバッグドア(裏口)からユーザーデータが中国政府に流れている可能性があるとして、米国ではTikTok規制法が成立しましたが、日本では個人情報の漏えいなどの面で心配はないのでしょうか。

佐藤仁さん 米国での対応について、当研究所では見解は持ち合わせておりません。

――今回の調査で特に強調しておきたことがありますか。

佐藤仁さん 今後、若年層だけでなく中年層やシニア層にも拡大していくかもしれませんので、引き続きTikTok利用動向の傾向を注視していきたいです。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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