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県予選決勝「幻のゴール」から22年、元日本代表・青山敏弘さん引退記念試合で両校OBに雪解けの涙

読売新聞 / 2025年1月12日 12時50分

水島工OBと抱き合って健闘をたたえ合う青山さん(左から2人目)(岡山県倉敷市で)

 2002年の全国高校サッカー選手権岡山県予選決勝で、誤審により明暗が分かれた作陽(現作陽学園)と水島工の当時のメンバーが同県倉敷市内で“再々試合”を行った。作陽出身で、昨季限りで現役を引退した元日本代表の青山敏弘さん(38)の引退記念試合として先月22日に行われ、1―0で作陽が勝利。熱戦を展開した両校OBたちは、わだかまりを乗り越え、雪解けムードの中で健闘をたたえ合った。

 22年前の誤審は延長前半、青山さんのシュートを巡って起きた。Vゴールが決まったかと思われたが、ボールはゴール内の支柱に当たって外に飛び出し、得点と認められなかった。試合はPK戦を水島工が制し、「幻のゴール」として全国ニュースにもなった。後に日本サッカー協会が誤審と認め、両校選手の間にわだかまりが残った。

 その後、水島工GKだった宮本寛さん(39)と作陽主将だった桜内光太さん(40)が再会したのを機に12年、再試合が実現。結果は引き分けだったが、わだかまりも消えた。青山さんが現役を引退することになり、これまでの活躍をたたえようと両校OBが再び集結し、再々試合を行うことになった。

 試合では、背番号10の青山さんが、持ち味の鋭い縦パスを繰り出してチャンスメイク。15分、水島工DFの隙を突いた作陽の選手のシュートがゴールネットを揺らした。

 試合後、涙を流して青山さんと健闘をたたえ合った宮本さんは「誤審は大きな事件として心の中に残っていた。今日の試合はとても楽しく、終わった時に言葉にならない感情がこみ上げた」。青山さんは「作陽出身であることがずっと誇りだった。最後にこのユニホームで戦えて本当に幸せ」と晴れやかな表情で話した。

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