トランプ氏事件担当のスミス特別検察官が辞任…大統領選結果受け起訴取り下げ

ジャック・スミス特別検察官＝ＡＰ

　【ワシントン＝淵上隆悠】米国のトランプ次期大統領が起訴された二つの連邦法違反事件を担当していた司法省のジャック・スミス特別検察官が１０日、辞任した。１１日に公表された裁判資料で明らかになった。

　スミス氏はトランプ氏を、２０２０年大統領選の敗北を覆そうとした連邦議会占拠につながった事件と、退任時に政府の機密文書を不法に持ち出したとされる事件で捜査していた。昨年１１月の大統領選の結果を受けて、「合衆国憲法は現職大統領の起訴や刑事訴追を禁じている」との司法省の見解に基づき、トランプ氏への起訴を取り下げた。

　メリック・ガーランド司法長官は、スミス氏が辞任前にまとめた捜査報告書の一部を近く公表する意向を示しているが、トランプ氏側は公表差し止めを裁判所に求めている。