韓国警察、大統領警護庁トップに逮捕状申請…尹大統領守る「強硬派」で抵抗激しくなる可能性

１０日、ソウルで捜査当局に出頭した大統領警護庁の朴鍾俊庁長＝聯合ニュース提供、ＡＰ

　【ソウル＝小池和樹】韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領に対する捜査を巡り、聯合ニュースは１２日、警察が大統領警護庁の金声勲（キムソンフン）次長に対し、尹氏への逮捕状執行を妨害した容疑で逮捕状を検察に申請したと報じた。同庁の朴鍾俊（パクジョンジュン）・前庁長は１０日に辞任しており、金氏は現在、警護庁トップとして尹氏の警護を指揮している。

　金氏に対しては、３日に警察などの合同捜査本部が尹氏への逮捕状執行を試みた際、執行を妨害した疑いがあるとして警察が捜査している。警察は１１日までに３度の出頭要請を行ったが、金氏は応じなかった。金氏は１１日、「警護庁長の職務代行として、一時も席を外すことができない」と主張した。

　韓国メディアによると、警察出身の朴氏が合同捜査本部との本格衝突を避けたい意向を示していたのに対し、警護庁出身の金氏は、尹氏に対する逮捕状執行阻止のためには衝突も辞さない「強硬派」だという。朴氏の辞任に伴い、金氏を中心とした警護庁の抵抗が一層激しくなる可能性が指摘されている。

　警察は、金氏の逮捕状が発付されれば、尹氏への逮捕状執行を警護庁が阻止しようとした場合に、現場で金氏を逮捕して警護庁の結束を乱す戦略を描いているとされる。尹氏への逮捕状執行に先駆け、金氏の身柄を拘束する可能性もある。

　一方、警護庁は、大統領公邸の敷地内に鉄条網を設置するなど、尹氏への逮捕状執行阻止に向けた準備を進めている。