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高級車数十台が玉突きし乗り捨て・「自宅へ急ぐ車と逃げる車が衝突しパニック」…ロス山火事

読売新聞 / 2025年1月13日 14時30分

 【ロサンゼルス=金子靖志】米ロサンゼルス近郊で相次いで発生した山火事は、強風にあおられて住宅街まで一気に燃え広がり、焼失面積は川崎市の面積を超える約160平方キロ・メートルに達した。依然として延焼が続く中、11日、甚大な被害が出たロサンゼルス西側の高級住宅街パシフィック・パリセーズの現場に入った。

 パシフィック・パリセーズは海が見渡せる高台に位置し、ハリウッド俳優や富豪らが住む米国でも有名な高級住宅街だ。

 ロサンゼルスから海岸沿いを車で北上して現場に向かうと、軍や警察が避難指示区域に指定されている一帯の道路を封鎖していた。当局の許可を得て中に入り、しばらく進むと灰が雪のように舞い、ゴムが焼けたような強い異臭が鼻を突いた。

 住宅街のある高台に向かう山道には、数十台の高級車が玉突きした状態で乗り捨てられていた。「自宅に荷物を取りに急ぐ車と、市街地に逃げる車とが衝突してパニックになり、立ち往生した」(地元住民)という。車の半数は焼けて骨格だけとなっていた。

 高台に上ると、豪邸が並んでいたはずの街は、がれきが散乱する焼け野原と化し、一部ではまだ火がくすぶり、煙が上がっていた。この地域に自宅を購入し、引っ越し直前に新居が焼失したという女性(51)は、「眠れない日が続いている。これからどうやって生きていけばいいのか……」と涙声で語った。

 地元当局は11日、死者16人のうち5人がパシフィック・パリセーズ地域の住人だと明らかにした。今も延焼が続く同地域の焼失面積は、11日時点で96平方キロ・メートルに達し、地域一帯の住民約10万人が避難しているという。

 南東に約7キロ・メートル離れた場所に設置された避難所を訪れると、住民らが大きな荷物を抱えながら入所の登録を行っていた。

 火災が発生した7日夜に避難したというトニタ・フェルナンデスさん(69)は、自宅に火の手が迫るのを目の当たりにして、子ども3人と車に飛び乗った。「運転中に火の粉が降りかかり、車に引火するのではないかと、とても不安だった」と振り返った。

 避難した翌日、近所の知人が撮影した写真に、焼け落ちた自宅を見つけたという。フェルナンデスさんは「将来を考えると、とても不安だ。でも、きっと再建できると信じている」と険しい表情で語った。

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