ロス山火事、昨年5月から続く異常乾燥に送電塔トラブルが発端か…死者24人・行方不明者20人以上
読売新聞 / 2025年1月14日 21時46分
【ロサンゼルス=金子靖志】米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で続く山火事は、14日で発生から1週間となる。焼失面積は川崎市の面積を超す160平方キロ・メートルに達し、死者24人、行方不明者は23人に上っている。鎮火の見通しは立っておらず、犠牲者は今後も増えるとみられている。
地元当局によると、山火事は7日以降に相次ぎ発生し、6か所まで拡大したが、13日時点で3か所となった。ピーク時に30万人以上だった避難指示・警告の対象住民は、約18万人まで減った。
だが、ロサンゼルス西側にある高級住宅街パシフィック・パリセーズや北側のアルタデナでは依然として延焼が続いており、計1万2300棟以上が焼失した。
16人が死亡、17人が行方不明となっているアルタデナで自宅を焼失し、避難生活を送るミシェリン・マクファーランドさん(60)は、近所に住む70歳代の友人女性を亡くした。
「彼女はずっとそこに住んでいたから、火の手が迫っても家から出ようとしなかった」と当時を振り返り、涙を流した。女性の自宅の焼け跡から、遺体が見つかったという。マクファーランドさんは、自宅に愛着を持つ高齢者が逃げずに亡くなったケースが「他にも何件かある」と語った。
アルタデナでの山火事の原因は、送電塔のトラブルとの指摘が出ているものの、現時点では判明していない。当局は一連の山火事の出火原因の特定を急いでいる。
被害がこれほど拡大した背景には、空気が乾燥した状態が長く続いたことが要因として挙げられている。同州は現在、雨期にもかかわらず異常な乾燥が続いており、ロサンゼルスで一定の降雨があったのは昨年5月が最後だった。
地元消防当局のポール・ローウェンタール報道官は取材に「我々は延焼を阻止する『封じ込めライン』を作っているが、今後の強風によってはラインを突破される恐れもある」と説明した。現地当局は13日、15日までの強風予報を受け、「爆発的な火災の拡大」への警戒を呼びかけている。
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