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新型コロナ国内初確認から5年、死者13万人・高齢者が96%…尾身氏「政府の検証十分ではない」

読売新聞 / 2025年1月14日 20時52分

政府の新型コロナ対応について徹底的な検証を求める尾身氏(10日、東京都内で)

 新型コロナウイルスの感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてから15日で5年となる。昨年8月までの死者数は累計で13万人に上り、このうち65歳以上の高齢者が96%を占める。高齢者が重症化しやすい状況は変わっておらず、引き続き感染対策が求められる。

 新型コロナの死者数は、厚生労働省の人口動態統計によると、20~23年(確定数)は10万5956人で、24年は8月までの概数で2万6302人となっている。年代別では、80歳代が39%で最も多く、90歳以上が37%で続く。

 新型コロナは23年5月に感染症法上の5類に移行したが、その後も流行の波を繰り返している。

 厚労省は14日、全国約5000か所の定点医療機関から昨年12月30日~今年1月5日の1週間に報告された感染者数が1医療機関あたり5・32人だったと発表した。

 福岡厚労相は14日の閣議後記者会見で、「感染拡大に備えて、医療提供体制の確保に万全を期したい」と述べた。

尾身茂氏「喉元過ぎれば…とならないよう」「免疫力高める生活を」

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身茂・結核予防会理事長が読売新聞のインタビューに応じ、日本の新型コロナ対応について「政府の検証が十分とは言えない」と述べ、徹底的な検証を求めた。

 政府は、コロナ禍の反省を踏まえ、感染症対応の司令塔となる内閣感染症危機管理統括庁を2023年9月に設置し、24年7月には次の感染症危機に備えるための行動計画を改定した。

 尾身氏はこうした動きを評価しつつ、「医療逼迫ひっぱくが起きた理由は何か。医療体制を根本的に見直す必要があるのかなど、本質的な問題をもっと深く分析する必要がある」と述べた。

 今後の感染症危機については、世界の人口は増加を続け、グローバル化でヒトやモノが国境を越えて動く現状を踏まえ、「我々は新しいウイルスがいつ来てもおかしくない時代に生きている」と指摘。「パンデミック(世界的大流行)はこれからも必ず起こる」と警鐘を鳴らす。

 3年余りのコロナ禍を振り返り、「100年に1度と言われる危機で、大変な思いをしなかった人は誰もいない。新型コロナは致死率が下がり、普通の病気になりつつあるが、『喉元過ぎれば』とならないようにすることが大切だ」と強調。「ワクチンの開発は国や医療界の責任だが、一般の人々は日頃から意識して免疫力を高めたり、マスク着用などの感染対策をうまく日常生活に取り入れたりしてほしい」と呼びかけた。(森井雄一)

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