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尹大統領の弾劾審判で初弁論…本人は欠席、次回から戒厳令宣布の違憲性など本格審理へ

読売新聞 / 2025年1月14日 21時13分

 【ソウル=仲川高志、依田和彩】韓国の憲法裁判所は14日、尹錫悦ユンソンニョル大統領の弾劾だんがい審判の弁論を初めて開いた。尹氏本人は欠席し、開廷から4分で終了した。16日に予定される次回弁論から、尹氏の戒厳令宣布の違憲性などを巡る審理が本格化する見通しで、結審までどれくらいの時間を要するかも注目される。

 憲法裁はこの日の弁論で、裁判官8人のうち、1人が法律の定める「公正な審判を期待するのが難しい事情」に該当するとの尹氏の弁護団の主張を退けた。弁護団は弁論に先立ち、この裁判官の配偶者が活動する弁護士団体のトップが、今回の審判の相手方である国会訴追団の代理人弁護士となっていることを理由に挙げていた。

 弁論では次回以降、国会訴追団と尹氏の弁護団との間で、激しい議論が繰り広げられる見通しだ。

 昨年12月14日に国会で可決された弾劾訴追案は、尹氏が戒厳令を宣布した同月3日の状況について、憲法が条件として定める「戦時・事変やこれに準じる国家非常事態」にはなく、「国会に遅滞なく通告する」という手続きにも違反したと訴えており、事実認定が主な争点となる。尹氏は戒厳令を「統治行為だ」として違憲性を否定しており、弁護団は法廷で徹底的に争う構えだ。

 弾劾訴追案は、戒厳令宣布が刑法の内乱罪に該当するとも指摘したが、国会訴追団は1月に入り、内乱罪のくだりを訴追事由から撤回し、尹氏による戒厳令宣布の違憲性に絞ると表明した。この点を憲法裁がどう評価し、対応するかも焦点となる。

 国会訴追団の狙いは、弾劾審判の審理迅速化にあるとみられる。訴追団を主導する左派系最大野党「共に民主党」の李在明イジェミョン代表は、公職選挙法違反事件で被告となっており、控訴審を控えている。有罪判決が出れば大統領選出馬に黄信号がともるため、争点を絞り、尹氏を早期に罷免ひめんに追い込みたい考えだ。

 これに対し、与党や尹氏の弁護団は「内乱罪が成立しないならば、弾劾訴追は間違っていたことになる」と反発している。

 憲法裁は、1月16日から2月4日までの計4回の期日を決めており、旧正月の連休を除き、週2回のペースで審理を行う。それ以降の日程は未定だ。2004年の盧武鉉ノムヒョン大統領の弾劾審判の場合は弁論が7回開かれ、棄却決定は初回弁論から46日目だった。17年の朴槿恵パククネ大統領のケースでは弁論が17回開かれ、67日目に罷免の判断が下されている。

 両氏とも弁論には一度も出席しなかった。尹氏の弁護団は尹氏の出席について、「安全の問題が解決されれば」と条件を付けている。高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)と警察の合同捜査本部が尹氏の逮捕状執行に乗り出す姿勢を崩していない中、出席が実現するかどうかは不明だ。

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