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ススキノ切断遺体、裁判員の負担考え「犯行動画」示さず初公判…精神科医の父は無罪主張

読売新聞 / 2025年1月15日 9時56分

 猟奇的な殺人事件の審理に臨む裁判員の負担をいかに軽減するか。札幌市ススキノ地区のホテルで頭部を切断された男性(当時62歳)の遺体が見つかり、同市厚別区の親子3人が逮捕・起訴された事件を巡り、14日に札幌地裁で開かれた父親の精神科医・田村修被告(61)の初公判では、凄惨せいさんな証拠を示さずに事件の全体像を示そうという検察側の工夫が随所に見られた。(岡絃哉、高橋剛志)

 2023年7月1日深夜、娘の瑠奈るな被告(30)がホテル客室で男性をナイフで刺殺。さらに持参したノコギリで頭部を切断し、自宅に持ち帰った後も損壊を重ねた――。

 これが今回の事件のあらましだ。瑠奈被告は殺害と切断の瞬間の動画を残しており、自宅での損壊についても母親の浩子被告(62)に撮影するよう指示。しかし、浩子被告には耐えられず、修被告がカメラマンを引き受けたという。

 ただ、裁判員の精神的な負担を考えれば、これらの映像をそのまま示すわけにはいかない。そこで検察側は、生々しい画像などを省いた上で遺体の状態や発見場所をまとめた「捜査報告書」を提出。この日の証拠調べでは、担当検事が自宅などの見取り図を法壇と法廷の壁に設置された液晶画面に示しながら内容を解説し、裁判員も冷静な表情で耳を傾けていた。

 「修被告は娘の殺害計画を知りながらノコギリなどの準備に協力し、その後の損壊行為もバックアップした」とする検察側に対し、弁護側は「修被告は事前に何も知らされていなかった」などと全面無罪を主張している。検察側は「修被告のスマートフォンに『殺人 時効』の検索履歴があった」とも指摘しており、15日の第2回公判以降、「修被告の認識」を巡る攻防が本格化する。

配慮、母親判決の日程でも

 裁判員への配慮は、裁判官のみで審理されている浩子被告の公判でも行われている。「浩子被告の審理スケジュール」だ。

 浩子被告の公判でも事件の全体像を巡って「修被告は殺害計画を知っていたか」が争点化しており、浩子被告の判決が先に出ると裁判員の判断に影響を与えかねない。そこで法曹三者(裁判官、検察官、弁護人)の間では、昨年6月の審理開始当初から「浩子被告の判決は修被告より後にする」との合意がなされていた。

 浩子被告の公判は2月7日の第8回で証拠調べが事実上終了するが、結審と判決の言い渡しは、修被告の判決が予定されている3月12日以降になるという。

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