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三菱UFJ元行員、都合の悪い客には貸金庫室の機械トラブル装う…穴埋めした現金には元の帯封を

読売新聞 / 2025年1月15日 21時0分

 三菱UFJ銀行の貸金庫から金塊が盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された元行員の今村由香理容疑者(46)が、防犯カメラ映像で顧客の来店をチェックし、盗んだ金品の持ち主が訪れた際にシステムを切断して入室させなかったことが、関係者への取材でわかった。警視庁は窃盗の発覚を免れるためだったとみて、貸金庫室の利用記録を調べるなど裏付け捜査を進める。

 今村容疑者は昨年9月頃、練馬支店(東京)で顧客2人の金塊約20キロ(約2億6000万円相当)を盗んだとして、14日に逮捕された。盗んだ金塊は質店に持ち込んで現金化し、別の貸金庫から盗んだ金品の穴埋めに使うといった「自転車操業」を繰り返していたという。

 関係者によると、貸金庫室は顧客のカードキーと暗証番号で出入りするシステムが敷かれている。今村容疑者は、来店客の防犯カメラ映像を店内のモニターで確認。穴埋めしていない金品の持ち主が訪れると、貸金庫室の入室システムを切断し、機械トラブルを装って「今日は入れない」などと説明していたという。

 捜査関係者によると、今村容疑者は逮捕前の任意の調べに、「貸金庫をランダムに開けて中身を確認していた」と説明した。利用客の来店頻度を確認しており、現金や金塊を持ち出す際には、貸金庫内をスマートフォンで撮影し、盗んだ金品を記録していたという。自宅からは現金を束ねる複数の帯封が見つかった。盗難が発覚しないよう、穴埋めした現金に元の帯封を付けていたとみられる。

 今村容疑者は2008年頃から競馬にのめり込み、FX(外国為替証拠金)取引を重ねるなどして、13年に東京地裁に民事再生手続きを申請し、適用された。その後、FX取引や競馬を控えたが、約1年後には再開。FX取引で約10億円の損失を抱えていた。警視庁は20年4月以降、60人以上の顧客から総額約17億円の現金や金塊などを盗んだとみている。

 事件は顧客からの問い合わせで昨年10月末に発覚した。同行は同11月、今村容疑者を懲戒解雇とし、翌12月に警視庁に告発していた。

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