世界経済成長２・７％で据え置き、世銀が２５年見通し…日本は０・２ポイント上方修正で１・２％

アジェイ・バンガ世界銀行総裁（昨年１月、首相官邸で）＝川口正峰撮影

　【ワシントン＝田中宏幸】世界銀行は１６日、２０２５年の世界全体の経済成長率が２・７％になるとの見通しを発表した。昨年６月の前回予測から据え置いた。当面は世界経済が安定して推移するとの見方を示す一方、途上国の債務問題や貿易摩擦の悪化を先行きのリスクとして挙げた。

　国・地域別の成長率見通しでは、日本が１・２％と前回から０・２ポイント上方修正した。２４年は認証不正問題に伴う自動車工場の操業停止が長引いたものの、２５年は持ち直し、設備投資が堅調に推移すると予測した。

　米国はインフレ（物価上昇）のさらなる鈍化や底堅い個人消費が経済を下支えすると見込み、６月時点から０・５ポイント引き上げて２・３％とした。

　中国は不動産投資の落ち込みや消費マインドの低迷が続く一方、政府支援による経済活動の押し上げや輸出の増加で、前回から０・４ポイント上昇の４・５％と予測した。２６年の世界経済成長率は２・７％と前回から据え置いた。