棋聖戦第１局、井山裕太王座が一力遼棋聖に勝ってタイトル奪還に一歩…「判断が難しい碁だった」

　囲碁界の最高位を争う第４９期棋聖戦七番勝負（読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス）の第１局が１６、１７日に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われ、１７日午後７時１分、挑戦者の井山裕太王座（３５）が一力遼棋聖（２７）に２４６手までで白番中押し勝ちして、タイトル奪還に向けて好スタートを切った。

　一力棋聖は封じ手で黒９９と右辺の白を急襲し、この白を仕留めた。対する井山王座は左下と左上の黒を攻めて流れをつかむと、右下の白の一団を大きく生きた。一力棋聖は中央の白をコウ争いの末に取ったものの、井山王座は的確な判断でリードを手放さず、ヨセ勝負を勝ちきった。

　第２局は２５、２６日に栃木県日光市の「日光千姫物語」で行われる。

　井山王座の話「判断が難しい碁だった。中央のコウの過程で右上を連打し、地合いで行けそうだと思った」

　一力棋聖の話「左上の折衝では、もう少しいい図があったかもしれない。しっかり切り替えて臨みたい」