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能力より忠誠心、「ドナルド王」におびえる連邦政府職員…支配強化へキャリア官僚を政治任用職に

読売新聞 / 2025年1月18日 5時0分

8日、米ワシントンの連邦議会議事堂を訪れたトランプ次期大統領=ロイター

[トランプの米国 内なる戦い]〈上〉

 米国のトランプ次期大統領が20日、就任する。敵視する官僚機構や進歩派勢力との「内なる戦い」に焦点を当て、方向性を探る。

      ◇

 「『Lawfare(ローフェア)』は米国で一度も起きたことがなかった。二度と起こさせてはいけない」

 トランプ氏は10日、SNSにこう投稿した。Lawfareは、「law(法律)」と「warfare(戦争)」を組み合わせた造語。政敵への司法の武器化を批判する際、トランプ氏や保守派が好んで使う。

 この日、トランプ氏は不倫の口止め料を不正に処理したとされる事件で、裁判所から収監や罰金を命じない異例の判断を示されたが、有罪評決は覆らなかった。プライドを傷つけられたトランプ氏の復讐ふくしゅう心は、これまでになく燃えたぎっている。司法の武器化を防ぐとは、自身への「戦争」を仕掛けた検察官や政治家らを追い詰めるという決意表明にほかならない。

 大統領選で「報復」はトランプ氏の中心的メッセージだった。敵と見なした人物を捜査、処罰すると繰り返した。エリートと官僚機構が結託した「ディープステート(闇の政府)」に米国が操られているという陰謀論に触れ、「ロシアや中国よりも、『内なる敵』である彼らの方が危険だ」とも言い切った。

 自らが捜査されたことで恨みを持つ連邦捜査局(FBI)の長官候補にはカシュ・パテル氏を起用した。第1次政権で国防総省高官を務め、ディープステートの「破壊」を唱える。パテル氏は著書で、元FBI長官を含む第1次政権の高官ら60人の「標的リスト」を公表した。自らに見立てた魔法使いが英雄の「ドナルド王」を助け、民主党の政治家に似た名前の悪者を倒すという児童書も書いている。

 米国ではこれまで、捜査機関がホワイトハウスと距離を置くことは政権の「規範」と言えた。しかし、トランプ氏を「王」と重ねる信奉者が集まる第2次政権は、復讐の組織に変容しかねない。

 トランプ氏はパテル氏の著書を絶賛する。「ホワイトハウスを取り戻し、政府全体からギャングを排除するのに役立つ青写真だ」

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