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日英防衛相会談 海洋国家として連携深めたい

読売新聞 / 2025年1月18日 5時0分

 ともに海洋国家の日英両国が、自由な航行や海上交通路の安全を守るために連携する意義は大きい。具体的な協力を積み重ねて、関係を深化させることが重要だ。

 中谷防衛相が英国を訪問し、ヒーリー国防相と会談した。

 両氏は、英海軍の空母打撃群が今年、日本に寄港することを踏まえ、自衛隊と共同訓練を実施することなどで合意した。中谷氏は、その際に自衛隊による空母などの警護を検討していると伝えた。

 自衛隊が平時に他国軍の艦艇などを守る「武器等防護」は、10年前に成立した安全保障関連法で可能となったもので、これまで米国と豪州にだけ実施してきた。

 英国にも適用すれば、日英が同盟に準ずる関係であると内外に示すことになるだろう。

 英国は近年、安全保障や経済でアジアへの関与を強めている。空母打撃群の日本への寄港は、2021年以来2回目だ。先月には、日本や豪州、マレーシアなど11か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟した。

 英国は欧州連合(EU)からの離脱後、成長著しいアジアを重要な協力相手とみなしているようだ。米国のトランプ次期大統領が関税の引き上げを示唆する中、英国が自由貿易を推進する体制に加わることは時宜にかなっている。

 空母の派遣は、強引な海洋進出を続けている中国を牽制けんせいするという点でも効果的と言える。

 防衛相会談ではまた、日英伊3か国で共同開発する次期戦闘機について、35年の配備に向けた工程を確認した。中谷氏は、ステルス性能を持った機体の設計を担うことになっている英BAEシステムズの工場を視察した。

 戦闘機はこのほか、設計を含め全体調整を三菱重工業、エンジン開発をIHI、電子機器を伊レオナルドがそれぞれ担う予定だ。3か国の技術力を結集し、最先端の戦闘機を開発する必要がある。

 共同開発にはサウジアラビアが参画の意向を示しており、英伊両国は歓迎している。戦闘機の開発費は数兆円に上るため、産油国の加入で経費を抑えたいようだ。

 ただ、サウジは3年前まで隣国イエメンの内戦に軍事介入していた。将来も中東の紛争に関わらないと断言できまい。仮に次期戦闘機が紛争に使われるような事態となれば、日本の平和国家としての信頼が損なわれかねない。

 日英伊は、3か国で戦闘機を開発する、と定めた条約を維持しながら、調整を図るべきだ。

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