共産・田村智子委員長が就任1年、党勢回復へ正念場…衆院選で議席減らし退潮傾向続く
読売新聞 / 2025年1月18日 23時40分
共産党の田村委員長が18日、就任から1年を迎えた。初の女性委員長として党勢低迷の打開を期待されたが、昨年の衆院選で議席を減らし、苦しいかじ取りが続く。夏の参院選で退潮傾向に歯止めをかけられるか、正念場を迎えている。
田村氏は18日、北九州市内で記者団に「政治を変えられるのは私たちだ。そのことを多くの国民に伝えていきたい」と強調した。
田村氏は、23年間にわたって委員長を務めた志位和夫氏の後任として昨年1月の党大会で就任。同10月に衆院選を迎えて早速真価が問われたが、2議席減と成果を上げられなかった。
田村氏は今月16日の記者会見で「(党の)自力が本当に足りなかった」と反省の弁を述べた。党員の高齢化を踏まえ、若い世代からの支持拡大が不可欠だとして、「SNS戦略室」を新設するなど、巻き返しを図る考えだ。
少数与党の状況下で、野党共闘を進展させられるかも課題となる。共産は与党と政策協議に取り組む日本維新の会や国民民主党に批判的だ。参院選の改選定数1の「1人区」での野党候補一本化について「通常国会での各党の対応を見なければ結論が出せない」(田村氏)と慎重姿勢で、共闘が進むかは見通せない。
足元も盤石とは言いがたい。党の収入の柱だった機関紙「しんぶん赤旗」は「年間十数億円の赤字」(小池書記局長)だ。党運営を巡っても「閉鎖的」との不満がくすぶっており、課題が山積する中で党勢浮上の糸口は見いだせないままだ。
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