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世界3位の自動車市場・インドでスズキが初EV…現地勢先行、「インド製」アピールし巻き返し図る

読売新聞 / 2025年1月19日 14時30分

 【ニューデリー=井戸田崇志】世界3位の自動車市場のインドで開催中の自動車展示会で、スズキが同社初の電気自動車(EV)「eビターラ」を披露している。スズキはインドで4割近いシェア(占有率)がある最大手だが、EVではタタ・モーターズなど現地勢に先行されている。スズキはEVの世界戦略車の投入で追い上げを図る。

アピール

 「eビターラは『メイク・イン・インディア』(モディ印首相の製造業振興策)のビジョンそのものだ」

 スズキの鈴木俊宏社長は17日、ニューデリーで開幕した自動車展示会「バーラト・モビリティー・グローバル・エキスポ」の会場で、現地のメディア関係者らに「インド製EV」であることをアピールした。

 eビターラは小型スポーツ用多目的車(SUV)で中国BYD製の電池を搭載し、1回の充電で500キロ・メートル以上走る。価格など詳細はまだ公表していないが、インド工場で生産し、今夏にも販売を始める予定だ。

 さらにインドから欧州や日本、東南アジア、中南米、アフリカなど世界100か国以上に輸出する計画も公表した。経済成長が著しいインドにEV生産を集約してコストを抑える狙いがあり、トヨタ自動車への供給も予定する。

「牙城」死守

 スズキがEVの世界戦略車を投入する背景には、印政府がEV産業の誘致や大気汚染対策などを目的に2030年の乗用車の新車販売でEVの割合を3割に引き上げる目標を掲げていることがある。

 エンジン車で築いてきたインド市場の「牙城」を守る狙いもある。

 調査会社JATOによると、インドの24年の新車販売台数は前年比4%増の486万台で、スズキがシェア首位の37・2%を占めた。EVはこのうち12万台あまりにとどまるが、シェアでは現地財閥タタ・モーターズが61・7%と圧倒する。鈴木氏は「EVでもトップシェアを狙う」と強調しており、eビターラは巻き返しの先兵となる。

 スズキは30年度までにインドで販売するEVを6車種に拡大し、乗用車の販売に占めるEVの割合を15%にする目標を掲げる。

ライバル

 ライバルも手をこまぬいているわけではない。

 タタはSUV「ハリアー」や小型車「ティアゴ」の新型EVを展示した。現時点で1車種しかないスズキとの差別化を図っている。

 インドでシェア2位の韓国ヒョンデ(現代自動車)は展示会に合わせて小型SUV「クレタ」のEVを発売した。スズキに先んじてEVの発売にこぎ着けた現地法人の金彦洙社長は「インドのEV産業で新たなベンチマーク(基準)を打ち出す」と意気込んでおり、インドEV市場の競争は激化しそうだ。

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