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共通テスト「情報」初実施、受験生「基礎的な問題」と安堵…教員「初年度で生徒に配慮したかも」

読売新聞 / 2025年1月19日 23時25分

大学入学共通テストの2日目を終え、試験会場を後にする受験生ら(19日午後、東京都文京区の東京大学で)=野口哲司撮影

 大学入学共通テストは19日、理科と数学、新教科・情報(情報I、旧情報の2科目)の試験が行われ、2日間の日程が終了した。情報は、総志願者の約6割にあたる30万1934人が受験。無事に試験を終えた受験生からは安堵あんどの声が聞かれた。

 情報Iは2022年度から導入された学習指導要領の教育課程で学んだ高校生、旧情報は浪人生向けに設けられた。いずれもデータの活用や分析、論理的な思考力を問う内容だ。

 情報Iでは、文化祭に向けて効率的に工芸品を製作できるよう担当者を割り当てるプログラムを完成させるといった問題が出た。

 旧情報では、高校の図書館を活性化して生徒に読書習慣を身につけさせるため、どのようにデータを集め、分析するかを答えさせた。

 東京都内の試験会場で受験した国立大文学部志望の都立高3年の生徒(17)は「過去問がなく、模試の問題を繰り返し解いて臨んだ。基礎的な問題が多く、点は取れたと思う」と語った。別の都立高3年の生徒(18)は「プログラミングは問題文が長く少し難しかったが、志望校の配点は低いので、あまり影響はないのでは」と振り返った。

 情報Iの難易度について、代々木ゼミナールの松田知泰・情報研究室長は「大学入試センターが過去に公開した試作問題に比べると少し難しかったが、基礎レベルの出題も目立った」と分析する。

 河合塾の昨年8月時点の集計では、情報の受験を必須としている国立大は97%、公立大は44%で、私立大はわずかだった。河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は「情報Iで大きな差は出ないのではないか。思うように得点できなかった人も挽回の機会はあるので、気持ちを切り替えて今後の試験に臨んでほしい」と話している。

分かりやすい設定…情報教える2人の教員

 初めて出題された「情報I」について、高校で情報科を教える2人の教員に聞いた。

東京都立小平高校の小松一智・指導教諭の話「プログラミングの問題設定が分かりやすく、問われる思考力はそれほど高くなかった。高校1年で情報Iを履修し、3年になってから対策を十分に取った受験生なら、大きな差はつかないだろう。教員はプログラミングの実習などを通じて、生徒が情報技術に関心を持つ授業を展開していくことが大事だ」

大分県立大分舞鶴高校の伊藤大貴教諭の話「データ活用の大問では都道府県の旅行者数をテーマにした。データ間の関係性を示す複数の散布図などを取り上げたが、図表を素直に読み解けば正解できるので、易しいと感じた受験生も多かったのではないか。出題初年度で受験生に配慮したのかもしれない。来年度以降は難しい出題も考えられる」

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