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もしお金の減る認識がないまま、子どもがICカードを使っていたら……本で教える金銭の使い方

読売新聞 / 2025年1月27日 15時30分

イラスト・大野八生

支払う前 じっくり考える

 お正月にお年玉をもらった子どもも多いだろう。お金は私たちの生活に欠かせない分、扱いを間違えると大きなトラブルに発展する危険性をはらんでいる。子どもたちが普段のお小遣いより大きな金額を手にするこの時期、改めてお金について考えてみるのはどうだろうか。(石塚恵理)

 生活を送る中で何にお金がかかるのか、どうしたらもらえるのか。童心社の『お金の使い方で未来を変えよう!』シリーズ(監修・松葉口玲子、全5巻)は、お金にまつわる様々なことが書かれている。買い物の仕方や支払う方法などといった基本から、キャッシュレス決済や地域通貨、人や環境に配慮したエシカル消費など、これからの時代の消費者が知っておきたい概念まで網羅した。

 編集を担当した同社の朝倉玲子さんは「最近の金融教育では投資が注目されがちだが、親の立場から考えると、お金の大切さや使い方など投資よりも前に子どもたちに知ってほしいことがたくさんある」と企画の経緯を語る。

 『お金のトラブルをなくそう』の巻では、子どもを持つ社員の体験をもとに、子どもに起こりうるトラブルの事例と未然に防止するための考え方を紹介。親が知らないうちに子どもが友達からおごってもらっていたり、お金が減っている認識がないまま子どもが交通系ICカードをたくさん使っていたりと、ささいだが、放っておくと大きな問題に発展しうる事例ばかりだ。

 「とりあえずこれだけ知っておけば安心ということをまとめている。日々の買い物やお金の貸し借りなど、まずは生活に即したお金の問題を考えてみてほしい」と話す。

 欲しいものがたくさんあってお年玉もすぐに使い切ってしまった子どもには、韓国の作家クォン・ジェウォンさんの『おこづかいの賢い使い方』(訳・わたなべなおこ、あすなろ書房)をすすめたい。

 かわいらしいタッチで描かれた犬の子どもたちが、すてきなものが何でもそろう不思議なお店「宝島」で、本当に買うべきものは何か考えていく。常に新しい商品が欲しくなったり、シリーズの商品を全て集めたくなったりする気持ちは誰しも持っている。だがお金を払う前にじっくりと考える習慣を身につければ、無駄遣いを防げるはずだ。

新紙幣の特徴紹介

 お金そのものについて興味が湧いてきたら、貨幣や経済学の専門家が監修する『お金のびっくり事典』(文・中村浩訳、絵・うのき、ポプラ社)が詳しく教えてくれる。昨年から発行された新紙幣の特徴や、肖像画となった3人のエピソードを紹介するほか、日本の貨幣の歴史や外国の通貨に関してびっくりするようなうんちくを楽しむことができる。

 金融教育は学校だけでなく家庭での取り組みも重要だ。

 子ども向けの金融講座を展開する「キッズ・マネー・ステーション」の代表で、漫画形式でお金の仕組みを解説する『お金のコンパス』(伊藤みんご、講談社)を監修した八木陽子さんは「キャッシュレス決済の普及など社会はどんどん便利になるが、公的な教育や親の知識は追いついていないのが現状。本を活用すれば、親も一緒に学びながら学校教育では足りない部分を補うことができる」と話す。

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