停戦開始で8か月ぶり検問所再開、援助物資を載せたトラック330台がガザへ…解放3女性は健康
読売新聞 / 2025年1月20日 20時19分
パレスチナ自治区ガザのイスラム主義組織ハマスは19日、2023年10月の越境攻撃で連れ去った人質のうち女性3人を解放した。これに対し、イスラエルは20日未明、収監していたパレスチナ人の子供や女性90人を釈放した。いずれもイスラエルとハマスの停戦合意に基づくものだ。(エルサレム 西田道成、エジプト北東部ラファ 田尾茂樹)
ハマスによる人質解放は23年11月に戦闘が一時休止して以来。ガザでは19日午前11時15分、停戦が発効した。第1段階は42日間(6週間)でハマスは人質約100人のうち33人を段階的に解放し、イスラエル側は収監者の釈放などを進める。
イスラエル軍の発表によると、19日に解放されたのは24歳~31歳の女性3人。イスラエルのメディアによると、3人はガザで赤十字国際委員会(ICRC)を通じて軍に引き渡され、中部テルアビブ近郊の病院で家族と再会した。3人の健康状態は良好とされていて、その1人のエミリー・ダマリさん(28)はSNSに「愛する生活に戻りました」と投稿した。
これに関し、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使は20日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、「我々は全ての人質の帰還を望んでいる。ハマスが合意を履行すれば、我々も順守する考えだ」と述べた。
一方、停戦開始に合わせ、イスラエル軍が昨年5月に制圧後、閉鎖されていたエジプトとガザ境界のラファ検問所が8か月ぶりに再開され、援助物資を載せたトラックがガザに向かった。
エジプト当局によると、停戦初日にガザに向かったのは330台。期間中は燃料運搬の50台を含め、1日600台がガザに入る計画だ。ガザでは物資不足による飢餓が深刻化しており、支援関係者は「ガザの人々の飢えが少しでも解消されれば」と期待している。
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