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諏訪の「御神渡り」今年こそ…湖面結氷の観察終了まで残り2週間、2018年を最後に出現なし

読売新聞 / 2025年1月21日 15時0分

諏訪湖の水温を測る宮坂宮司(20日、長野県諏訪市の舟渡川河口で)

 「御神渡おみわたり」の兆候をつかむ観察が長野県の諏訪湖岸で始まって2週間。1年で最も寒さが厳しいとされる「大寒」の20日朝、湖面に結氷は確認されなかった。今季は厚さ10センチ近くにまで結氷する日もあったが、大前提となる全面結氷に達していない。御神渡りは2018年を最後に出現しておらず、関係者は「観察終了まで残り2週間の勝負」と期待をつなぐ。(笹森春樹)

 観察が行われている舟渡川河口には20日朝、地元の八剱やつるぎ神社の宮坂清宮司と氏子総代らが集まった。午前6時半過ぎの気温は0度、水温は3・2度を記録。宮坂宮司は「波が静かで穏やか。素手でも寒くない。大寒ってこうだったかな」と困惑気味に話した。「昨年も大寒の頃、気温がプラスの日が5日間続いた。(今年も)似ている」と言葉を継いだ。

 氷点下10度近くまで気温が下がる日が3日間続くと諏訪湖は全面結氷する。さらに昼夜の気温差で湖面に亀裂が生じ、それが氷脈として隆起し、南北に走るのが御神渡りだ。宮司が判定し、湖上で拝観式を行う。

 観察は室町時代の1443年(嘉吉3年)から続き、今年が583年目。世界に例のない結氷記録で、観察場所に近い諏訪市渋崎の氏子が観察し記録してきた。同神社には「御渡みわたり帳」などの文書が記録として残る。

 冬の風物詩といわれた御神渡りだが、出現頻度が落ちている。宮坂宮司が記録を基に、出現しなかった「明けの海」の回数を50年単位で集計したところ、16世紀前半は10回あったが、それを除けば20世紀前半まではゼロか一桁台だった。ところが、20世紀後半は22回と突出し、今世紀は昨年まで17回に上る。

 温暖化の影響とみられ、2018年を最後に出現しておらず、昨年は4年ぶりに全面結氷もなかった。今季は、最も厚く結氷した13日でも9センチにとどまっている。

 観察は「立春」の2月3日までで残り2週間。宮坂宮司は「節分・立春に向けて少なからぬ期待を持ちながら湖岸に通おうと思う」と話す。観察総代の一人、伊藤武志さん(59)は「責任感をもって観察しているが、凍ったり解けたりの繰り返しで残念。温暖化をひしひしと感じる」と話している。

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