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詐欺凍結口座を標的、名義人が出国中に簡裁督促書面を「受領」…不当な強制執行の問題で 

読売新聞 / 2025年1月21日 5時0分

東京地裁

 詐欺事件の被害金を取り戻すために凍結された銀行口座から、東京都内の会社が強制執行手続きを行い資金を引き出そうとした問題で、口座の名義人で同社に返済義務があるとされたベトナム人が日本にいないのに、裁判所から郵送された書面を受け取ったことになっていることがわかった。書面は簡裁の「支払い督促」で、強制執行を可能とするにはベトナム人に送達する必要があった。被害者側は「不当な手続きに基づく執行だ」と主張している。

 執行の手続きをしたのは、代表と社名が同一で、東京都品川区と渋谷区にあるコンサルティング会社2社。詐欺の被害者側が執行を認めないよう東京地裁に求めている。

 訴訟記録などによると、渋谷の会社は、東京都内と福岡市に住所があるベトナム人3人に各550万~1100万円の貸し付けがあるとして、東京、福岡両簡裁に支払い督促の書面を発行するよう申し立てた。

 両簡裁は昨年5~6月、3人に支払い督促の書面を2回にわたって郵送。このうち2人は、「本人」が受領したとされ、残る1人は「同居人」を名乗る外国人が受け取ったことになっていた。送達後に3人から異議が出ず、「返済義務がある」という書面の内容が確定。渋谷の会社はこれを基に強制執行をかけた。

 ところが、被害者側が出入国在留管理庁に照会したところ、3人はいずれも2023年11月までに出国していたことが判明。それにもかかわらず、郵便局員が作成した「郵便送達報告書」には、受領者として2人の署名がアルファベットで記されていたという。

 訴訟で被害者側は「第三者が本人を装って受領した」とし、不当な手続きに基づく強制執行だと主張している。これに対し、渋谷の会社は1月10日付の答弁書で「被害者側が主張するような不正手段により、支払い督促の書面の取得はしていない」と反論。3人が日本にはいないとの指摘には言及していない。

 品川の会社は訴訟でベトナム人3人に貸したとする30万円について「ダミー債権だった」と認めている。

 一連の経緯について、両社の代表の男性は17日の取材に「裁判中なので答えられない」と話した。

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