銃撃された直後に拳を突き上げ「戦え」と叫んだトランプ氏、「強い男」のイメージ確立
読売新聞 / 2025年1月21日 7時15分
【ワシントン=冨山優介】米国の第47代大統領に就任するドナルド・トランプ氏(78)は、型破りな行動と過激な発言で物議を醸してきた。1期目に続いて、世界はその言動に振り回されることになりそうだ。
トランプ氏は、1946年にニューヨークで生まれた。68年にペンシルベニア大ウォートン校を卒業し、71年に父親の不動産事業を引き継いだ。土地や物件の買収に手腕を発揮し、やがて「不動産王」と呼ばれるようになった。2004年から司会を務めたテレビ番組が人気となり、決めぜりふの「お前はクビだ」が流行した。
16年大統領選に共和党から出馬し、白人労働者層の熱烈な支持を受けて民主党のヒラリー・クリントン氏との接戦に勝利した。17年に公職経験と軍歴のどちらもない「アウトサイダー」として初めて、大統領に就任した。
就任後は環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、不法移民対策としてメキシコとの国境に「壁」を建設した。昼夜を問わずにSNSに陰謀論や人種差別的な内容を投稿し、批判を浴びた。
20年大統領選で民主党のジョー・バイデン氏に敗れたが結果を認めず、21年1月に暴徒化した支持者らによる「連邦議会占拠事件」が起きた。
23年3月以降、議会占拠事件など四つの事件で起訴されたが、「魔女狩りだ」と訴え、返り咲きを目指した昨年の大統領選での支持につなげた。昨年7月にペンシルベニア州での集会で銃撃されたが、奇跡的に右耳の負傷だけですんだ。直後に拳を突き上げて「ファイト(戦え)」と叫ぶ姿が「強い男」のイメージを確固たるものにした。
大統領選では高齢批判を受けて撤退したバイデン氏に代わり出馬した副大統領のカマラ・ハリス氏と争い、再選を果たした。
妻はスロベニア出身で元モデルのメラニアさん(54)。前妻2人との間に生まれた子を含め、5人の子と10人の孫がいる。
政治歴2年 ナンバー2に
【ワシントン=冨山優介】副大統領となるJ・D・バンス氏(40)は作家と投資家という異色の経歴を経て2023年に上院議員となり、政治家への転身からわずか2年で米政権のナンバー2に駆け上がった。
バンス氏は1984年、中西部オハイオ州で生まれた。高校卒業後に海兵隊に入隊し、イラクに派遣された。海外との競争で製造業が衰退した地域の「ラストベルト」で薬物中毒だった母に育てられ、貧困に苦しんだ自身の半生をつづった回顧録「ヒルビリー・エレジー」を2016年に出版すると、ベストセラーとなった。
16年大統領選時には「反トランプ」を公言していたが、一転してトランプ氏に忠誠を誓うようになった。22年中間選挙の上院選でオハイオ州から出馬し、初当選した。トランプ氏から副大統領候補に指名されたのは、貧困層を抜け出した成功体験が評価されたからだと言われている。
昨年10月に開かれた副大統領候補のテレビ討論会では、落ち着いた理知的なやり取りで評判を高めた。一方、政治経験の浅さを懸念する声もある。
エール大法科大学院で知り合ったインド系のウーシャ夫人との間に3人の子がいる。
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