ワシントンにトランプ支持者集結「支持する姿を示すことが大切」、MAGAグッズも売れ行き抜群
読売新聞 / 2025年1月21日 7時0分
【ワシントン=阿部真司、冨山優介】米国の首都ワシントンには、ドナルド・トランプ新大統領(78)の20日の就任式に合わせて、全米から支持者や反対派が詰めかけた。記録的な寒さが予想されるとして、就任式は屋内での開催に変更されたが、周辺では厳戒態勢が続いている。
◇朝5時から列
連邦議会議事堂前で予定されていた就任式は、議事堂内の「ロタンダ(円形大広間)」で行われることになり、観客がトランプ氏の演説を直接聞くことはできなくなったが、支持者は高揚感に包まれている。
就任式の中継イベントが開かれるスポーツ施設「キャピタル・ワン・アリーナ」周辺では、氷点下の寒さにもかかわらず、20日午前5時過ぎには開場を待つ人の列ができた。
カリフォルニア州ロサンゼルスの教育啓発団体職員デボン・マースキーさん(37)は、「多くの人が集まり、トランプ氏を支持している姿を示すことが大切だ。心からの声援を送りたい。寒さは気にならない」と興奮した様子。フロリダ州タラハシーのエンジニア、ジョジョ・ギブスさん(30)は、「今日は歴史的な日となるはずだ。トランプ氏には、国境の安全とインフレ(物価高)対策に力を尽くしてほしい」と期待を込めた。
同アリーナ周辺では、トランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に」が入った帽子やバッジ、マフラーなどの関連グッズが飛ぶように売れていた。テキサス州ヒューストンから来た露天商ブランドン・イングルスカーションさん(35)は「トランプ氏の人気はすごいね」と驚いていた。
会場周辺は厳戒態勢、過去最長48kmの仮設フェンス
ただ、市内は「祝賀ムード一色」というわけではない。トランプ氏就任に反対するグループは18日、抗議集会を開き、数千人が集まった。反対派は、トランプ氏がLGBTQ(性的少数者)の権利を縮小し、女性の人工妊娠中絶における選択権を奪うのではないかとの懸念が強い。20日にもワシントンなどで抗議集会が開かれる予定だ。
一方、ワシントン市内は厳戒態勢が続いている。2017年のトランプ氏就任の際は、抗議デモの一部が暴徒化し、約200人が拘束される騒ぎが起きた。昨年の大統領選では、トランプ氏を狙った2度の暗殺未遂事件が発生。今月1日にはルイジアナ州ニューオーリンズで新年を祝う群衆に車が突入するテロ事件も起きた。就任式が屋内に変更され、恒例のパレードも中止になったが、警備当局は警戒を解いていない。
議会議事堂やホワイトハウスの周辺は立ち入りが厳しく制限され、コンクリートのブロックなどで道路も封鎖されている。高さ2メートル程度の仮設フェンスは過去最長の30マイル(約48キロ・メートル)に及ぶ。州兵7800人を含む2万5000人が警備にあたる予定だ。
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