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トランプ氏、「トリプル・レッド」でも議会運営綱渡り…米共和が僅差の過半数で民主にも配慮せざるを得ず

読売新聞 / 2025年1月21日 6時58分

 【ワシントン=淵上隆悠】米共和党は、大統領職と上下両院の主導権を独占する「トリプル・レッド」の政治環境を手にした。トランプ新大統領の意向に沿った予算案や法案を通しやすい状況ではあるが、上下両院ともに民主党との議席数の差はわずかで、綱渡りの議会運営となりそうだ。

 赤は共和党のイメージカラーで、「トリプル・レッド」の達成は、第1次トランプ政権の2017~19年以来。トランプ氏は当時、議会と連携し、連邦法人税率の大幅な引き下げを柱とする約30年ぶりの大型減税法案を成立させた。米経済は好景気で潤い、トランプ氏の政権運営に対する自信の源泉となったとされる。

 その再現を狙うトランプ氏は、大統領就任初日こそ数多くの大統領令を出す予定だが、議会との連携を重視していくとみられる。大統領令は、大統領が連邦政府や軍に命令できる強力な権限だが、議会による予算措置がなければ実行には移せないためだ。

 国境の警備強化やエネルギー生産の増大といった「米国第一」の政策を着実に進める上で、「トリプル・レッド」は理想的な環境だが、楽観はできない。下院(定数435)の議席は19日現在、共和党219、民主党215、欠員1で、与野党の議席数は「歴史的な僅差」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)だ。

 トランプ氏は19日の集会で、「下院は僅差の多数派だが、統一行動を取っているので大丈夫だ」と語ったが、実態は異なる。3日に行われた下院議長選では、3人がマイク・ジョンソン議長への投票を拒否。このうち2人がトランプ氏の説得で翻意しなければ、ジョンソン氏は再選に必要な218票を獲得できなかった。

 昨年末には、政府の借入金の限度を定めた「債務上限」の適用停止措置を巡る混乱もあった。大型減税に取り組みたいトランプ氏が27年1月までの2年延長を求めたが、採決では、共和党内の財政規律を重視する財政保守派ら38人が反対に回った。

 共和党が53議席を確保する上院(定数100)でも、トランプ氏と距離を置く議員が数人いる。米紙ニューヨーク・タイムズは「トランプ政権の成功は、議会共和党が団結し続けられるかどうかにかかっている」と指摘する。また、上院は、予算など多くの法案で60票を集めないと成立が難しい仕組みになっており、民主党にも配慮した議会運営をせざるを得ないのが実情だ。

就任式 屋内で開催 40年ぶり

 【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ新大統領の就任式は、40年ぶりの屋内開催となった。

 20日朝、トランプ氏はまずホワイトハウス近くのセント・ジョンズ教会に出向き、礼拝した。新大統領が就任前に行う行事として恒例となっているものだ。礼拝後、ホワイトハウスでバイデン大統領と懇談し、最後の引き継ぎを受けた。

 就任式は屋外の連邦議会議事堂前で行われる予定だったが、記録的な寒さが見込まれたため、議事堂内の中央のドームにある「ロタンダ(円形大広間)」に変更された。屋内開催は、1985年に行われたレーガン元大統領の2度目の就任式以来となる。

 トランプ氏は午前中に議事堂へ移動し、就任式に臨む。歴代大統領と同様に就任宣誓の後、就任演説を行う。正午に第47代大統領に就任する。就任式には、バイデン氏のほか、オバマ、ブッシュ(子)、クリントンの各元大統領も出席する予定だ。2020年大統領選で敗れたトランプ氏は、21年の就任式を欠席した。

 就任式の様子は市内のスポーツ施設で中継される。恒例行事だった屋外パレードは中止となり、議事堂での式典の後、トランプ氏は同施設で行われる支持者集会に出席する。

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