トランプ大統領「掘って掘って掘りまくれ」…「エネルギー緊急事態」を宣言、化石燃料増産へ
読売新聞 / 2025年1月21日 12時0分
【ワシントン=田中宏幸、冨山優介】米国のトランプ大統領は20日、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から再び離脱する内容の大統領令に署名した。就任演説では「国家エネルギー緊急事態を宣言する」と述べ、再生可能エネルギーの導入に前向きだったバイデン前政権の政策を転換し、化石燃料の生産を推進する意向を示した。
トランプ氏は就任演説ではパリ協定に触れなかったが、大統領選で示してきた公約通り、再離脱を決めた。気候変動対策で主導的な役割を果たしてきた米国が抜けることで、世界的な対策の後退が懸念される。米国は第1次トランプ政権時の2020年にパリ協定から離脱し、バイデン前政権の21年に復帰した。
トランプ氏は、石油や天然ガスなど化石燃料の増産によってエネルギー価格を引き下げ、インフレ(物価上昇)の抑制につなげる狙いだ。演説では「インフレの危機は、過剰な支出とエネルギー価格の高騰によって引き起こされた」との見方を示し、「(化石燃料を)掘って掘って、掘りまくれ」と呼びかけた。
演説では、バイデン前政権が気候変動対策の一環として進めた電気自動車(EV)の普及策の撤回を表明した。トランプ氏は「(環境分野に大規模投資する)グリーン・ニューディール政策は終了し、EVの義務化は取り消される。自動車産業を救う」と主張した。
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