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「ウクライナで衛生兵」称し支援物資の薬だまし取る、「注目されることに高揚感」…無職男に有罪判決

読売新聞 / 2025年1月21日 6時44分

札幌地裁

 ロシアの侵略が続くウクライナで義勇兵をしているとSNS上で自称し、支援物資の名目で鎮静剤をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた札幌市南区の無職男(25)に対し、札幌地裁は20日、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の判決を言い渡した。被告はSNS上で注目される中で詐欺を思いついたといい、井戸俊一裁判官は「戦地の人々の役に立ちたいという善意を踏みにじった悪質な事件だ」と述べた。

 判決によると、被告は2022年10月頃からSNS上で「九重ノイ」の偽名を使い、ウクライナの病院で衛生兵として活動しているとのウソの情報を発信し始めた。

 やがて「支援物資を送りたい」という声が寄せられるようになると、自分が日頃から大量に服用している鎮静剤の調達先とすることを計画。同年12月3~4日、札幌市の女性と千葉県の女性に「これからウクライナに入国予定の後輩が住んでいる」と偽って自宅の住所を伝え、鎮静剤計7箱(計約1万1200円相当)を送らせて詐取した。

 被告は予備自衛官として胆振東部地震(2018年)の被災地などで活動していた際に左足を負傷し、以後は痛みを紛らわせるために鎮静剤に頼る生活になっていたという。判決の言い渡し前に行われた被告人質問では、「足に障害を負ってから人とのつながりが薄くなっており、SNS上で注目されることに高揚感を覚えているうちに魔が差した」と説明。井戸裁判官から「虚偽を語ることにやましさはなかったのか」と問われると、うつむきながら「人生でこれほど注目を集めることはなかったから……」と述べた。

 公判に提出された証拠によると、被告は起訴された以外にも支援物資名目の詐欺を重ねていたといい、判決後に取材に応じた被害者の1人は「この先も被告を許すことはできないと思う」と話していた。

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