退任２０分前に…バイデン氏、兄弟とその妻ら５人に恩赦「私の家族は執拗な攻撃にさらされてきた」

バイデン氏＝ロイター

　【ワシントン＝阿部真司】米国のバイデン前大統領は２０日、自身の親族らに恩赦を与えると発表した。刑罰を取り消す通常の恩赦と異なり、トランプ大統領による「報復」としての起訴を阻止する事前措置となる。トランプ氏の就任に伴い、自身が退任する約２０分前に発表した。

　対象となる親族はバイデン氏の兄弟やその妻ら５人で、バイデン氏は声明で「私の家族は執拗（しつよう）な攻撃と脅迫にさらされてきた。最悪の党派政治だ」と述べた。

　これに先立ち、バイデン氏はマーク・ミリー前統合参謀本部議長や新型コロナ対策を指揮したアンソニー・ファウチ氏、２０２１年１月に起きた連邦議会占拠事件を調査した連邦議会のメンバーらを対象とする恩赦も公表した。ミリー、ファウチ両氏は軍や感染症対策を巡る方針でトランプ氏の不評を買い、トランプ政権下で報復される可能性が指摘されていた。

　一方、トランプ氏は２０日、２１年の議会占拠事件で訴追された支持者ら約１５００人に恩赦や減刑を与える大統領令に署名した。議会議事堂での演説で、「言葉ではなく行動が重要だ」と主張した。