福岡城に天守閣はあったのか、なかったのか…黒田家家臣の書状も見つかり発掘調査へ

福岡城跡の位置

　福岡市は新年度、国史跡の福岡城跡（福岡市中央区）について、天守台とその周辺で初めての発掘調査を行う方針を固めた。福岡城に天守閣が存在したかは判明しておらず、解明に向けて当初予算案に関連経費を計上する。

　福岡城跡には天守台の石垣が現存しているが、天守閣の存在を示す設計図や絵図は見つかっていない。一方で、昨年、天守閣が建ったことを記した黒田家家臣の書状が確認されるなど、存在を巡って議論が活発化している。

　市は天守台の発掘調査に向けて昨年から文化庁と協議を進めており、市の２０２５年度当初予算案に数千万円の関連経費を計上する方針。石垣の状況や内部の構造などを調べ、天守閣の有無や建築物を建てられるかなどを検討していく。

　市は今春の「福岡城さくらまつり」で昨年に続き、天守台に仮設構造物「幻の天守閣」を設置してライトアップを行う予定だが、期間を短縮した上で、発掘調査を早期に始めることも検討している。