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「輪島塗」クラウドファンディングに3億円超…被災地の再建・復興へ弾み

読売新聞 / 2025年1月22日 5時0分

中門さんがクラウドファンディング運営サイトに掲載した支援の呼びかけ(レディーフォー提供)

 石川県輪島市の伝統工芸品「輪島塗」の職人や工房が能登半島地震で大きな被害を受けたなか、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング(CF)」を通じた支援が広がっている。国内大手3社のCF運営サイトでは、輪島塗関連の寄付額が昨年末までに総額で3億円を超えた。寄付金は工房などの復旧費用に充てられ、被災地の再建・復興に向けた弾みとなっている。(金沢支局 平松千里)

 輪島市二ツ屋町の「中門漆器店」。自宅兼工房が地震で準半壊したが、上塗り職人の中門博さん(66)は「ここで作り続けたい」と昨年1月下旬に仕事を再開させ、大手サイト「READYFOR(レディーフォー)」で同3月頃に支援を募り始めた。

 中門さんを支えようと、4人の娘が1口3000円から50万円まで寄付者が選べるように設定すると、2か月ほどで約200人から寄付が集まり、目標額の500万円に達した。妻の睦子さん(66)は「行政の補助金だけでは限度がある。本当にありがたかった」と話す。

 集まったお金は漆の購入や被災した職人への仕事の発注に充てており、寄付者には、中門さんが上塗りを施した箸やぐいみなどを返礼品として贈るという。

 読売新聞が大手の3サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」、「Makuake(マクアケ)」、「レディーフォー」に取材したところ、地震発生後から昨年12月中旬までに各サイトに掲載された輪島塗関連の寄付の呼びかけは計40あり、寄付金の総額は3億400万円に達した。

 漆器制作に携わる職人や企画販売を担う塗師屋ぬしやが個人単位で支援を募るケースが多いといい、マクアケの担当者は「職人さん自身がCFを通じて業界の復興へ意欲を見せているのが特徴的」と話す。寄付者への返礼品は、輪島塗の箸やわんなどが多いという。

 寄付額が順調に増える一方で、職人からは、CFを活用する人だけに支援が偏ってしまうとの声も出ている。キャンプファイヤーは輪島塗産業全体を支援しようと、輪島漆器商工業協同組合への寄付を募り、開始から3か月ほどで520万円以上が集まった。担当者は「息の長い支援が必要。寄付者は継続的にCFを利用することで、魅力的な商品開発や職人の育成に携わってほしい」としている。

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