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坂道の街・麻布にご当地「カレー」誕生…崩して食べる「なだれ坂」、牛タン並ぶ「仙台坂」など3種類

読売新聞 / 2025年1月23日 11時25分

 40以上の坂道がある東京都港区の麻布エリアで、ご当地グルメ「麻布坂カレー」が誕生した。区の地域活性化プロジェクトの一環で、地元の飲食店が坂道にちなんだカレーを開発し、提供を始めた。(中薗あずさ)

起伏富む地域

 ココナツカレーに添えられたご飯の山にたっぷりかかったキーマカレー。その上にはホワイトマッシュルームや大豆などの具材がてんこ盛りで、今にもこぼれ落ちそうだ。

 カレー専門店「飛飛飛びびび」(西麻布)が考案したカレーは、土崩れが起きたことが由来との説もある「なだれ坂」にちなんだ。具材の山を崩してカレーになだれ込ませながら食べるのがポイントという。店長の高岩誠さん(42)は「カレーをきっかけに麻布の坂のことも知ってもらい、町の魅力を感じてもらいたい」と語る。

 おしゃれな高級店が多い麻布エリアだが、これまでご当地グルメはなかった。2023年秋、地域住民らを巻き込んで区が展開しているプロジェクトの会合でエリアを盛り上げるアイデアを募ったところ、起伏に富み、坂が多い地域性を生かそうとの声があがった。ダムを模した盛りつけが受けて各地に広がった「ダムカレー」をヒントに、坂にちなんだカレーの開発が決まった。

ルールは3点

 ルールは、〈1〉店の近くの坂道にちなんだメニュー内容〈2〉ご飯に傾斜を付けて坂に見立てる〈3〉「麻布坂」と記されたアクリルの標柱を立てる――の3点。昨年10月、区が飲食店に呼びかけたところ、8店から応募があり、審査の結果、3店舗のカレーが認定された。

 今月10日に提供が始まったのは、飛飛飛の「なだれ坂カレー」(税込み1500円)のほか、「ピリピリ」(東麻布)の「サクラ咲くさくら坂カレー」(同1450円)、「ガヴィアルプラス麻布十番店」(麻布十番)の「仙台坂カレー」(同2800円)の計3種類。桜並木で知られるさくら坂のカレーには、桜の花びらを模した魚肉ソーセージや桜の木をイメージしたブロッコリーをトッピング。江戸時代、仙台藩の屋敷があったことで名付けられた仙台坂のカレーは、仙台名物の牛タン8切れをぜいたくに並べた。

 今後、応募があった残る5店舗でもメニュー化する予定。他の飲食店からの応募も受け付けている。港区麻布地区総合支所協働推進課の雑賀智久係長は、「坂道にはそれぞれ歴史がある。カレー巡りをして歴史にも興味をもってもらい、麻布の新たな一面も知ってほしい」と話した。

足立区はうどん、北区はおでん

 ご当地グルメによる街おこしは他の自治体も取り組んでいる。

 足立区では、区内産の小松菜を麺に練り込んだ緑色のうどん「あだち菜うどん」をアピールする。

 東日本大震災後、地元商工会議所のメンバーが震災で落ち込んだ街を盛り上げようと、都内生産量が2位(当時)だった小松菜に目を付けて50回ほどの試作を重ねて完成させた。

 着色料を使わない深い緑色と、鼻に抜けるさわやかな風味が特徴だ。区役所のレストランのほか、港区の高級ホテルなどでも提供している。麺を考案したNPO法人「あだち菜うどん学会」の渡井良昌理事(64)は「区を超えて愛される麺になり、地元も活気づくのがうれしい」と話す。

 北区は2011年から東京商工会議所と連携し、「おでんのまち」として売り出している。おでんに関する講演会や作文の表彰、料理教室などを開いてきた。

 おでんに目を付けたのは、良質な伏流水や豊富な水量の河川に恵まれ、おでん屋が多く立ち並んでいたからだという。「北区おでん本部」の平田賢実行委員長(42)は「北区では、様々な種類のおでんを食べられるので、いろんな味を楽しんでほしい」とPRした。

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