イチローさん、白Ｔシャツに紺ジャケットで殿堂入り会見…永久欠番「サインに５１をずっと使える」

会見するイチロー氏＝ＡＰ

　【シアトル＝帯津智昭、クーパーズタウン（米ニューヨーク州）＝平沢祐】米大リーグの球史に残る記録を刻んだイチロー（本名・鈴木一朗）さん（５１）に、新たな勲章が加わった。日本人選手初の米国野球殿堂入りを果たした２１日、会長付特別補佐兼インストラクターを務めるシアトル・マリナーズの本拠地で約１時間にわたって行われた記者会見で、喜びの言葉を口にした。

　「日本人の野手の評価は、僕の１年目で決まるという思いを背負ってプレーした記憶がある。３年プレーして、ようやく周りにある程度、認めてもらった感触があった」。日本で７年連続首位打者となり、日本人野手として初めてメジャーに挑んだ２００１年当時の心境を、イチローさんはこう明かした。この年、首位打者と盗塁王に輝き、日本人初のアメリカン・リーグ最優秀選手（ＭＶＰ）と新人王を受賞するなど鮮烈な印象を残した。

　白いＴシャツに紺のジャケットというラフな姿のイチローさんは時に言葉を選びながら、一つひとつの質問に丁寧に答えた。現役時代の背番号「５１」が、マリナーズの永久欠番になることが決定。「サインする時に５１をずっと使えるのがめちゃくちゃうれしい。まだ５１歳なので、そのタイミングでなかなか特別」とちゃめっ気たっぷりに語り、報道陣の笑いを誘った。

　米国野球殿堂博物館のジョシュ・ラウィッチ館長も取材に応じ、「（満票に１票及ばなかったが）重要なのは彼が殿堂入りを果たしたこと、素晴らしいキャリアを築いたことだ」と栄誉をたたえた。