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中居正広さん問題、毅然とした対応とれなかったフジテレビ…タレントとの懇親を重視

読売新聞 / 2025年1月23日 5時0分

フジテレビ本社(20日、東京都港区で)=三浦邦彦撮影

激震 フジテレビ<上>

 タレントの中居正広さん(52)の女性トラブルを巡る問題は、社員の関与などが報じられたフジテレビの対応がスポンサーの反感を買い、CMの大量差し止めという事態に至っている。背景と現状を探る。

 「一連の報道で、多大なご迷惑、ご心配をおかけしています」

 女性が中居さんに意に沿わぬ行為をされ、トラブルのきっかけとなった食事会の設定にフジテレビの幹部社員がかかわったと一部週刊誌で報じられたのを受け、港浩一社長は17日に開いた記者会見で、まず謝罪した。しかし参加記者を限定し、テレビの映像撮影も認めない姿勢は批判され、スポンサーからの反発を招いた。

 会見によると、同社はトラブルが起きた直後の2023年6月、女性から話を聞き、内容を把握した。中居さんからも連絡を受けたが、出演するレギュラー番組の放送は続けた。中居さんへの聞き取りについては詳しい説明を避けた。

 なぜ中居さんに毅然きぜんとした対応をとれなかったのか。背景にはテレビ局と出演者のかかわり方がある。

 テレビ番組は企画と出演者で成り立つ。まずは企画があり、それに合わせ、タレントや俳優をキャスティングしてきた結果、多くの人気者が生まれてきた。

 しかし1980年代以降、視聴率競争が激化する中、民放は「誰が出演するのか」を重視するようになった。固定ファンのいるアイドルなど、人気タレントの信頼を得るため、いかに懇親を深めるかが制作担当者にとって優先されるようになった。

 81年から「楽しくなければテレビじゃない」を掲げ、バラエティー路線やトレンディードラマを強化したフジテレビはその傾向が強かったとされる。「他局では自腹を切らせるような芸能人との会食にも、うちは(経費で)積極的に出席していますから」。同社のある社員は明かす。港社長自身、とんねるずなど人気タレントを起用したバラエティー番組で、同社黄金期の立役者となった一人だ。

 顧客の接待は一般企業でも行われる。しかしテレビ業界では、出演者と適切な距離感が保てない空気が制作現場に広まっていたとの指摘もある。地方局の番組に出演しているフリーの女性アナウンサーは、アナやリポーターの女性が、スポンサーやタレントらの接待に呼ばれることが通例となっていると証言する。

 今回の問題を受け、出演者との距離を再考する動きが各局で広がっている。TBSは20日、実態把握の社内調査を発表した。調査開始を伝える同日の報道番組「Nスタ」で、井上貴博キャスターは「今皆さんが感じているのは、フジテレビだけなのかということ。テレビ局と業界関係者の会合を巡っての問題は、業界全体の問題だととらえている」と、視聴者に語りかけた。

 神戸学院大の鈴木洋仁准教授(メディア論)は「テレビ業界全体で、社会や世間から感覚がずれていないかに目を向け、根本的に取り組んでいく必要がある。そうしない限り、同じような問題が起きるだろう」と話している。

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