指揮者の秋山和慶さん引退…大晦日の年越しコンサート指揮の後、元日に自宅で転倒し入院中

指揮者引退を表明した秋山和慶さん

　日本を代表する指揮者の一人、秋山和慶さん（８４）が今月１日に自宅で転倒し、頸髄（けいずい）損傷の大けがを負ったため指揮者を引退することが２３日、わかった。

　所属事務所を通じて同日、家族が発表したコメントによると、秋山さんは手足に後遺症が残り、現在も入院中。引退は本人と家族で協議して決めたという。「これまで６０年間にわたり秋山和慶を支えてきてくださったすべての皆様に心より御礼申し上げます」と家族が感謝をつづった。

　秋山さんは桐朋学園大で斎藤秀雄に師事。卒業後は東京交響楽団の音楽監督・常任指揮者として活躍し、カナダ・バンクーバー交響楽団や広島交響楽団の音楽監督なども歴任。２０１４年に文化功労者に選ばれた。昨年、活動６０周年を迎え、１２月３１日に開催された年越しコンサートを指揮したばかりだった。