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船の難所の直島沖、海中に古代から近世までの遺物…「瀬戸内海の流通の歴史に迫る史料」

読売新聞 / 2025年1月24日 10時36分

早崎水中遺跡で見つかった土器や磁器。フジツボがついているものも(岡山市北区で)

 岡山理科大などは23日、香川県・直島沖の早崎水中遺跡で見つかった沈没船や焼き物の年代が分かったと発表した。古代から近世まで幅広い年代と地域のものがあり、研究グループは「瀬戸内海の流通の歴史に迫る貴重な史料」としている。

 早崎水中遺跡は、岡山理科大の山本俊政准教授が1995年頃、香川県直島町の寺島西側の海底で発見。水中考古学研究所(京都市)が98年に潜水調査を行い、沈没船2隻や焼き物を確認していた。

 岡山理科大や岡山大、京都橘大などの研究グループは2023、24年、水中から発見された焼き物などを分析するとともに、水中ドローンや潜水により改めて調査した。

 沈没船2隻はともに全長10メートル超で、水深15~27メートルの海底にあった。1隻は銅製の部品やタイヤに似た構造物があり、明治後半~昭和初期のエンジンを載せた機帆船の可能性が高い。もう1隻は船体とみられる木片について放射性炭素年代測定を行ったところ、江戸時代の17世紀後半~18世紀後半の木材と推定された。

 1998年の調査や地元ダイバーが見つけた史料数十点の分析では、土器や磁器は9世紀末~10世紀初頭、11~12、13、18世紀のものがあった。産地は岡山や香川、九州、東海などのほか、中国も含まれ、完全な形を保った白磁もあった。刀のさやの一部(約20センチ)もあり、8世紀後半~9世紀後半とみられる木材で作られていた。刀身は残っていなかった。

 直島周辺は古くから海難事故が多い難所で、遺跡周辺も海流が速いという。焼き物などは複数の沈没船が積んでいたと考えられる。研究グループ代表の富岡直人・岡山理科大教授は「瀬戸内海でこれだけの遺物が見つかるのは珍しい。遺跡の保護に向けて文化庁と相談した上で、今後の調査も検討したい」と話した。

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