イチローさん、投票しなかった１人に「自宅に招待して一緒に飲みたいので名乗り出て」…野球殿堂博物館で記者会見

レリーフの土台にサインしたイチローさん（米ニューヨーク州クーパーズタウンで）＝平沢祐撮影

　【クーパーズタウン（米ニューヨーク州）＝平沢祐】米大リーグのマリナーズなどで活躍し、日本人初の米国野球殿堂入りを果たしたイチロー（本名・鈴木一朗）さん（５１）が２３日、米ニューヨーク州クーパーズタウンの米国野球殿堂博物館で記者会見に臨んだ。自身のレリーフが歴代の殿堂入りメンバーと同じギャラリーに飾られることに触れ、「同じところにいていいのかという気持ち。同じ場所ではあるものの、到底、その先輩方には及ばない気持ち。これからの生き方によって近づいていけると思うので、ここからがスタートという捉え方もできるんじゃないかと考えている」と思いを述べた。

　殿堂入りのユニホームを着て記者会見に参加したイチローさん。冒頭で「どうやら１人、投票してくれなかった方がいるようですが、是非自宅に招待して一緒にお酒を飲みたいので、名乗り出て、シアトルまでお越しください」とユーモアを交えてあいさつした。

　日本人初の米国殿堂入りを果たしたことへの思いを聞かれると、「（２１日の殿堂入り発表後は）時間に追われて、なかなか、その今の気持ちをかみしめることができていない」と明かし、「今日博物館に来て、これからじわじわと湧いてくるとは思うが、おそらく５年、１０年、２０年、もしくは僕がいなくなる時にそれを実感するんではないか。この出来事の意味がひょっとしたらあったのかもしれないと感じられるのは先のことだと思う」と話した。

　イチローさんは２００１～１０年に史上初の１０年連続シーズン２００安打を達成、０４年にはシーズン最多の２６２安打をマークしてメジャー記録を８４年ぶりに更新した。米通算３０８９安打。投票総数３９４票のうち３９３票を獲得し、史上２人目の満票とはならなかったものの、過去３番目に高い得票率９９・７４６％で殿堂入りした。