水原一平被告に禁錮4年9月・返還命令26億円を求刑…連邦検察「強欲」を浮き彫りと強調
読売新聞 / 2025年1月24日 10時4分
【ロサンゼルス=後藤香代】米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(30)の元通訳、水原一平被告(40)が大谷選手の口座から金をだまし取ったとして銀行詐欺罪などに問われている裁判で、米連邦検察は23日、禁錮4年9月を求刑した。大谷選手の被害総額1697万5010ドル(約26億円)に関する返還命令なども求めた。
連邦検察が同日、量刑に関する意見書を連邦地裁に提出した。意見書で検察側は、水原被告のギャンブル依存症が量刑判断で考慮される可能性を踏まえ、「盗んだ金を野球カードの購入や歯科治療費の支払いなど、ギャンブルとは何も関係のない多数の個人的な費用に充てていた」と指摘した。
賭博の勝ち分を大谷選手の口座に返還せず、ブックメーカー(賭け業者)から自身の口座に振り込ませていたことも問題視し、「犯罪が依存症によるものとの主張を覆す行為であり、別の潜在的な原因、すなわち『強欲』を浮き彫りにするものだ」と強調した。
検察側はまた、大谷選手がエンゼルスに所属していた当時、水原被告がホテルの部屋でチームメートとポーカーゲームに興じたことが、違法なスポーツ賭博に手を染めるきっかけになったとの見方も明らかにした。
一方で、水原被告が司法取引に応じ、罪を速やかに認めたことは評価した。司法取引では、量刑が4年9月~5年11月の範囲内であれば、検察側と被告側の双方が控訴しないとの条件で合意していた。確定申告の際、大谷選手の口座からだまし取った分を隠匿した虚偽申告罪も合わせると、水原被告には最長で33年の刑が科される可能性もあった。
量刑言い渡しは2月6日、米カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁で行われる。
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