アライグマによる農作物被害が埼玉で深刻化、天敵おらず強い繁殖力…空き家が快適な「すみか」の可能性
読売新聞 / 2025年1月24日 17時14分
埼玉県内でアライグマが急増し、農作物を食い荒らす被害が深刻化している。県によると、昨年度の捕獲数は前年度比1275匹増の1万1790匹で、直近10年間で3・3倍に増えた。被害を防ごうと、県は捕獲体制の強化を検討している。(立原朱音)
30匹以上を捕獲
「少しでもアライグマが触れたと思われるものは商品化できない。大切に栽培しているのに」。さいたま市岩槻区のブドウ園で巨峰やシャインマスカットなどを栽培する石井公一さん(68)は悔しがる。
5年ほど前からアライグマによるとみられる食害が急増。箱わなを設置しているほか、2023年からは園の一部を電気柵で囲んだ。だが、昨年は900房ほどが食い荒らされ、被害額は50万円を超えたという。
アライグマは夜間に侵入し、木に登ってブドウを狙う。親子で一緒に来ることも多い。石井さんは昨年30匹以上を捕獲し、市役所に引き渡した。ただ、わなを器用にすり抜けてしまう個体も多いという。
空き家増も背景か
埼玉県によると、野生動物による県内の農作物の被害額は約8200万円(2023年度)で、3割弱の約2300万円をアライグマが占める。サル(約1500万円)やシカ(同)を上回る被害だ。
埼玉県内で初めてアライグマが捕獲されたのは2002年度で、当初は2匹だった。生息域は県北部、県西部が中心だったが、今では県内全域に広がっている。天敵がおらず、一度に3~6匹の子どもを生むなど繁殖力が強いとされる。
埼玉県内で増えている空き家が、増加の一因となっているという見方もある。総務省の23年調査によると、賃貸や売却用などを除いた県内の「放置空き家」は13万5800戸。空き家が快適な「すみか」になっている可能性があるという。
「個人で対応限界」
埼玉県は「防除実施計画」を策定し、「野外のアライグマ完全排除」を最終目標としている。狩猟免許を持たない人でも設置できる箱わなを使えるよう、農家ら向けの研修会を実施している。
県みどり自然課は「農作物が少ない冬にもわなを仕掛けて、繁殖期に集中的に捕まえてほしい」としている。
ただ、農家からは「個人での対応は限界だ。行政が本格的に駆除に乗り出すべきだ」との声も出ている。
◆アライグマ=北米原産で、体重は4~10キロ程度。1970年代後半のテレビアニメの影響で飼育がブームとなり、逃げ出したものが野生化したとみられる。雑食性で野菜や果物など何でも食べる。夜行性で木登りや泳ぎも得意。現在は特定外来生物として輸入や飼育、販売が原則禁止されている。
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