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韓国人窃盗団に盗まれた対馬の仏像、13年ぶり返還…「14世紀に倭寇に略奪された」と訴訟

読売新聞 / 2025年1月24日 11時37分

観音寺に返還された「観世音菩薩坐像」=長崎県対馬市教育委員会提供

 【大田テジョン(韓国中部)=山田伸彦】長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像について、同寺の関係者らが24日、保管場所となっている大田市の国立施設を訪れ、韓国側から13年ぶりに返還を受けた。所有権を主張していた韓国の浮石プソク寺に貸与され、法要が行われた後、5月に日本に戻る見通し。

 仏像は県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像かんぜおんぼさつざぞう」。観音寺前住職の田中節孝せっこうさん(78)や日本の外務省、文化庁などの担当者が施設内で状態を確認し、引き渡しの手続きを行った。浮石寺への貸与のセレモニーも開かれ、田中さんは「多くの方々のご支援で今日を迎えられた。日韓が末永く交流できるよう力を尽くす」と述べた。

 仏像は2012年に韓国人窃盗団に盗まれた。窃盗団は韓国警察に逮捕され、仏像は回収されたが、浮石寺が「14世紀に倭寇わこうに略奪された」と主張し、保管する韓国政府に引き渡しを求めて提訴。韓国大法院(最高裁)は23年、所有権は観音寺にあると認めた。

 一連の所有権を巡る争いは、慰安婦を象徴する少女像の設置などと併せ、日韓関係を冷え込ませる出来事の一つとして注目された。

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