イーロン・マスク氏、トランプ大統領に劣らぬ予測不能な言動で連日物議…「互いを利用し合う関係」か
読売新聞 / 2025年1月25日 7時15分
【ワシントン=淵上隆悠】米国のトランプ政権で実業家のイーロン・マスク氏の存在感が際立っている。トランプ大統領に劣らぬ予測不能な言動は連日物議を醸し、トランプ氏に反旗を翻したかのような一幕もあった。自身が率いる「政府効率化省(DOGE)」は混乱の中での船出となった。
トランプ氏がソフトバンクグループなどと発表した巨額のAI(人工知能)投資事業「スターゲート」について、マスク氏は21日のX(旧ツイッター)への投稿で「(出資者に)それほどの資金はない」と実現性に疑義を唱えた。マスク氏はAI投資事業に参画する米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と対立していた。
トランプ氏に忠誠を誓う「イエスマン」で固められた政権で身内による批判的な発言は珍しい。しかし、トランプ氏は23日、ホワイトハウスの大統領執務室で「たまたまイーロンが嫌っている人物がいただけだ」と記者団に語り、マスク氏を擁護した。トランプ氏は側近でも敵とみなせば徹底的に攻撃するが、選挙戦で陣営に約2億6000万ドル(約406億円)を献金したマスク氏は例外だ。
トランプ、マスク両氏は互いを利用し合う関係と言えそうだ。トランプ氏にとっては資金力に加え、発信力や人脈も魅力だ。マスク氏はXで世界一のフォロワー数を誇り、優秀なシリコンバレーの人材やIT投資家との架け橋になる。
マスク氏はトランプ氏に取り入り、DOGEのトップとなった。電気自動車大手テスラや宇宙開発企業スペースXを率いており、自動運転技術など自身のビジネスに有利な規制緩和を進めていく可能性がある。
マスク氏の大胆な振る舞いは、度々波紋を呼んでいる。20日の大統領就任式の演説で、トランプ氏は「火星に星条旗を立てる」と表明した。将来の有人火星探査を念頭に、巨大宇宙船「スターシップ」を開発しているマスク氏の意向が働いたと指摘されている。
DOGEでは共同でトップを務めるはずだった実業家のビベック・ラマスワミ氏が20日に組織を去った。米政治専門紙ポリティコは、2人が方向性の違いから微妙な関係になったと指摘し、「マスク氏は最初の人員整理に成功した」と伝えた。
DOGEは当初、外部からトランプ氏や議会に規制改革やコスト削減を助言する構想だったが、トランプ氏が20日に署名した大統領令によると、大統領行政府にあった組織を改変して設置した。詳細はベールに包まれているが、米ブルームバーグ通信は20日、マスク氏がホワイトハウスのメールアドレスとオフィススペースを確保したと報じた。
ただ、トランプ氏は自身より目立つ人物を快く思わない。マスク氏が脚光を浴び続ければ、蜜月関係はあっさり崩れる可能性がある。
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